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「日本は遅れていると悲観する必要はない」経営学の権威・野中郁次郎が"最後の対談"で語った《世界に誇れる日本の企業》

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「3つの過剰」に陥った日本企業が、本来の強みを取り戻すには?(写真:Hanna / PIXTA)
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野中 そもそもアメリカの経営学は、自己の利益を最優先し、合理的に行動する「ホモエコノミクス」を前提にした経済学の影響下にある。また、デカルト以来の二元論をベースに、「あれかこれか」と相手を対象化して分析する手法が主流です。

一方で、私が研究してきた日本企業は、人間が本来もっている身体性に基づく野性や、主体的な創造性を組織に生かしてきました。ベースにあるのは、「共通善に向かって、他者とともに新しい意味や価値を創造する主体」という人間像です。

日本企業は1970〜80年代にそうした経営のあり方を花開かせ、「ジャパンアズナンバーワン」と称賛されました。私はそれらの成功事例をもとに、「知識創造理論」をつくり出した。いまこそ日本的経営の本質に立ち返るべきで、GAFAMのような企業と比較して、一律に「日本企業はダメだ」と断じる必要はないのです。

岩尾 強く共感します。カネが最優先される平成の社会では、アメリカ式の投資家に好かれる経営が合理的だった一面もありました。だからといって、「アメリカはすごい」と言いすぎるのはどうなんでしょう。

もちろん、アメリカの国家戦略は立派です。マルコム・ボルドリッジ国家品質賞や外資コンサルに見るように、日本企業の手法をきちんと学んで取り込んできた。一方、日本はうまくいっていた時期に天狗になってしまって、健全な危機感を忘れていた部分もあったと思います。

SECIモデルが示す日本的経営とは

岩尾 野中先生は、「日本的経営」の特徴はどこにあるとお考えですか。

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