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ライフ #法医学者がみた「働き盛りの死」の正体

50歳男性はなぜ対向車線に飛び出したのか?バターのように溶けた脳…解剖医が語る「すぐ病院に行くべきだった」初期症状

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車
(写真:takagix / PIXTA)
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ここからは私の想像ですが、渡辺さんはおそらく起床時に何らかの初期症状があったのではないでしょうか。しかし、「大したことはない」と判断して出勤してしまった。その後、運転中に足が動かなくなり、事故を起こしたのかもしれません。

一人だと「言葉」の異変には気づきにくいですが、「顔」や「手足」の異変には気づけると思います。朝起きてから腕や足に力が入らない、歯みがきでうがいの際に水が口の端からこぼれる、といったことがあれば、自己判断せず速やかに病院を受診してください。運転は控えてタクシーなどで移動しましょう。

今は20代でも動脈硬化が始まっている

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そもそも脳梗塞を起こさないよう、普段から生活習慣病の予防に努めることも大事です。

アテローム血栓性脳梗塞やラクナ梗塞については、高血圧、糖尿病、脂質異常症、喫煙、多量の飲酒などによって進行する動脈硬化が発症の引き金となります。

渡辺さんは肥満体型で、警察の調査から会社の健康診断で高血圧を指摘されており、喫煙者だったこともわかっています。

喫煙習慣のある人は動脈硬化になりやすい(写真:EKAKI / PIXTA)

生活習慣病予防のためには適度に身体を動かすことも重要です。ただし、肥満体型の人が急に激しい運動をすると脱水になるうえ、血圧が上昇して脳血管疾患を引き起こすおそれがあります。こまめな水分摂取をしながら、普段タクシーを使うところを歩いてみたり、散歩をしたりすることから始めましょう。

日々ご遺体を解剖していると、今は20代でもうっすらと動脈硬化が始まっていることを実感します。若いうちから生活習慣病予防を意識して早すぎることはありません。

心原性脳塞栓症に関しては、心房細動を起こさないことが何より重要です。万が一、脈が飛ぶ、動悸がするなどの自覚症状が出た場合は速やかに病院を受診し、適切な治療を受けて血栓をつくらないようにしてください。

脳梗塞を発症すると、一命を取り留めても麻痺や言語障害が残り、仕事ができないばかりか、日常生活も困難になるケースがあります。サンド伊達さんのように、初期症状が出たらすぐさま病院にかかることを心がけてほしいと思います。

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