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キャリア・教育

出世にも収入にも限界が…「幸せになりにくい社会」で「どうしたら幸せになれるか」と問う人の思いがけない想定ミス

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考え方を変えて幸せになれるなら話は早いが
考え方を変えて幸せになれるなら話は早いが(写真:saki/PIXTA)
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当然ながら、そんなことはない。時間とエネルギーが残り始めたら、“倦怠と退屈”という新たな課題と向き合わなければならなくなるからだ。

「苦痛」よりもっと耐えがたいこと

ここで引用されているのは、哲学者のアルトゥール・ショーペンハウアーによる「人生は苦しみと倦怠の間を往復する振り子のようだ」という言葉だ。 心配事が消えたあとの満足感も一瞬のものでしかなく、その空席は、すぐに倦怠で埋められるというのである。

そのせいか、最近は倦怠についての心理学研究が増えてきているのだそうだ。

ある研究(Wilson et al., 2014)では、参加者たちを15分間部屋に1人で座らせておいてから(携帯は没収)、退屈なら自分に電気ショックを与えられるオプションを提供しました。
参加者のうち3分の2はこの倦怠に耐えられず、スイッチを押して自分で自分に電気ショックを与えました。時には苦痛よりも耐えがたいものが、退屈や倦怠なのです。人間を部屋に閉じ込めておくのが最高の刑罰になる理由でしょう。(274ページより)

電気ショックなど絶対に避けたいものだが、とはいえそれにさえ頼りたくなるほど、倦怠は苦痛なのかもしれない。

そこで、幸せの意味とはまた異なる「心理的豊かさ」という概念が心理学に登場しました(Oishi & Westgate, 2022)。
いつも楽しくはないけれど、日常に変化があって、世界を新しい目で見られる多彩な経験がある人生を指します。
つまり、適度なドラマやどんでん返しのある人生です。こういう人生を追求する人は思ったよりもたくさんいます。(274ページより)

理想的な人生とはどのようなものであるか。その捉え方は時代に応じて変わるものだ。それに幸せは重要であるけれども、それを唯一の人生の羅針盤にする必要はない。楽しかったり、怒ったり、笑ったりするのが人生なのだから。

考え抜いた結果として一巡したとも捉えられるだけに、著者のこの考え方はやはり普遍的だ。だからこそ、強く共感できるのである。

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