当然ながら、そんなことはない。時間とエネルギーが残り始めたら、“倦怠と退屈”という新たな課題と向き合わなければならなくなるからだ。
「苦痛」よりもっと耐えがたいこと
ここで引用されているのは、哲学者のアルトゥール・ショーペンハウアーによる「人生は苦しみと倦怠の間を往復する振り子のようだ」という言葉だ。 心配事が消えたあとの満足感も一瞬のものでしかなく、その空席は、すぐに倦怠で埋められるというのである。
そのせいか、最近は倦怠についての心理学研究が増えてきているのだそうだ。
電気ショックなど絶対に避けたいものだが、とはいえそれにさえ頼りたくなるほど、倦怠は苦痛なのかもしれない。
理想的な人生とはどのようなものであるか。その捉え方は時代に応じて変わるものだ。それに幸せは重要であるけれども、それを唯一の人生の羅針盤にする必要はない。楽しかったり、怒ったり、笑ったりするのが人生なのだから。
考え抜いた結果として一巡したとも捉えられるだけに、著者のこの考え方はやはり普遍的だ。だからこそ、強く共感できるのである。


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