「自分語り」が止まらない
お見合いは、プロフィールは知っているけれどそれ以外のことは知らない男女が会い、結婚相手になりえるかどうかを見極めるための時間だ。ところが、ときどき「自分を知ってもらう時間」とだけ解釈している人がいる。
きよこ(37歳、仮名)が先日お見合いをしたくにお(44歳、仮名)は、まさにその典型例だった。
午後5時半。都内にあるホテルのラウンジに2人は着席し、あいさつを済ませると、くにおはいきなり仕事の話を始めた。今どんな業務を担当しているか、日々どれほど苦労しているか。説明は細かく、熱がこもっていた。
とにかく、仕事を頑張っている自分のことを伝えたい。それが相手に好印象として伝わると思っていたのだろう。しかし、きよこが申し込んだのはお見合いであって、就職活動のプレゼンではない。
結局、くにおの自分語りは10分近く続いた。業種の違うくにおの仕事には、まったく興味が持てなかったが、きよこはうなずきながら聞いていた。


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