もし不審なアプリを入れてしまった場合は、すぐにアプリを削除し、PayPayの取引履歴を確認する。身に覚えのない送金や決済があれば、PayPayの補償制度のヘルプページで条件を確かめ、申請を検討してほしい。PayPay自身もそう案内している。
最後に、自分のスマホだけでなく、家族のスマホも一緒に点検してほしい。とくに、スマホの設定に詳しくない親世代の端末は要注意だ。設定画面を一緒に開いて確認するだけでも、被害を防げる可能性は高まる。
アプリストア以外も許可した「スマホ新法」
今回の手口は、公式ストア以外から直接アプリを入れさせるもので、主にAndroidが狙われているとみられる。では、iPhoneなら安心かといえば、そうとも言い切れない。
実は、「TikTok18+」と同じ誘い文句で、iPhoneの利用者に「構成プロファイル」を入れさせようとする例も見られる。構成プロファイルとは、本来は企業などが端末の設定をまとめて配布するための仕組みだ。筆者が確認した画面では、「tiktok成人版」と名乗るプロファイルが、ホーム画面にWebサイトへの入口を追加させようとしていた。このプロファイル自体に、Androidの不正アプリのような遠隔操作の機能はないが、iOSも標的にしていることがうかがえる。
そして、iPhoneを取り巻く環境そのものも変わりつつある。2025年12月18日、「スマホソフトウェア競争促進法」、いわゆるスマホ新法が全面施行された。AppleとGoogleによるアプリ市場の寡占を是正し、競争を促すための法律だ。これを受けて、iPhoneでもiOS 26.2以降、App Store以外の「代替アプリストア」が使えるようになった。
代替ストアの運営者には、悪意のあるアプリへの対応やチェック体制の整備といった要件が課されている。ただし、ストアごとのセキュリティやコンテンツの基準が、Appleと同じになるとは限らない。アプリの入手経路が増えれば、利用者が「どれが本物か」を見極めなければならない場面も増える。これまでプラットフォームが担ってきた安全の一部が、利用者の側に移されたと言える。
いま利用者にできるのは、怪しいアプリやプロファイルを入れない、設定を見直す、履歴を確かめるといった自衛を、一人ひとりが積み重ねていくことしかないのだろう。




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