被害者はこうした広告からアプリをダウンロード、インストールしてしまう。ここで注意したいのは、そのダウンロード画面がPlayストアやApp Storeといった公式ストアではないことだ。
公式ストア以外のアプリに潜む危険性
公式ストアには審査があるが、外部のサイトから直接配られるアプリは誰のチェックも受けていない。外部サイトからアプリをダウンロードし、アプリを起動すると、いくつかの「許可」を求められる。中でも危険なのが、「ユーザー補助(アクセシビリティ)」と「画面オーバーレイ」の2つだ。
ユーザー補助は本来、体の不自由な人のスマホ操作を助けるための機能だ。画面に表示された内容を読み取り、代わりにボタンを押すことまでできる。これを不正アプリに許してしまうと、スマホは外部から自由に操作できる状態になる。
画面オーバーレイは、あるアプリの上に別の画面を重ねて表示する機能だ。悪用されると、持ち主には真っ暗な画面を見せておき、その裏で操作を進められる。本人はスマホがスリープしているだけだと思っているが、実際には決済アプリが開かれ、送金の手続きが進んでいる可能性がある。
利用者からすれば、新たなアプリを1つ入れて、許可ボタンを何度か押しただけである。その数タップで、スマホの操作権限をまるごと渡してしまう。
こうして持ち主が気づかないうちに、犯人は遠隔でPayPayアプリを開く。そして、送金機能を使って自分たちの用意したアカウントへ残高を送る。送金の手続きに必要なパスコードは、ユーザー補助の権限を通じて、持ち主が入力したときに盗み見ておけばいい。その間、持ち主のスマホの画面は真っ暗なままである。
偽アプリが「TikTok」の名前をかたったのには理由がある。TikTokは誰もが知っている人気アプリだ。見慣れた名前があれば、「有名な会社のアプリなら大丈夫だろう」と警戒心が緩む。
「大人向け」という誘い文句にも、計算が透けて見える。性的なコンテンツへの好奇心は、冷静な判断を鈍らせやすい。さらに、被害に遭っても「何のアプリを入れたのか」を家族や周囲に打ち明けにくい。


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