早稲田のMBAを取得してからは、LINE株式会社に勤務していた青田さん。
そんな青田さんに再度の受験を決意させたきっかけは、コロナ禍のリモートワーク期間でした。
「通勤時間の往復2時間がかからなくなって比較的余裕ができたので、いろんな人との交流の接点をつくれればと思い、オンラインで採用の勉強会を副業として始めました。それが軌道に乗ったこともあり、法人化してみたら、役員報酬としてLINEの給与以上の金額を自分に支払えるようになりました。
副業としての稼働は平日の夜と週末で週10時間程度。それだけで生計が立てられるメドがついたということは『平日の昼間を5日間空けられる状態』になったということです。それであれば、会社員ではなく大学生として生きる世界線もできるのか……と思いました」
子どもの頃から漫画家に興味があり、クリエイティブへの憧れをずっと持ち続けていたこと、新卒採用の仕事で美大生と多く接する中で「一生懸命生きている人が多い」と美大生に対する憧れを抱いている自分に気づいたこと。そして40歳を過ぎた頃から「意外と先は長い」という感覚が芽生えていたことなど、青田さんがそれまでの人生で経験してきたいくつもの要因が重なりました。
「22歳から65歳まで働くとしたら、40代前半はちょうど折り返し地点でハーフタイムです。前半の20年でそこそこの域に達することができた感はありました。それなら、後半の20年でもう1周できるんじゃないかと思い始めていました。人生は一度きりと言うけれど、実はもう一度生きられるのかもと考えました」
「やりたいこと」「できること」「やらなければいけない理由」を整理
そこで、青田さんは自身の「やりたいこと(意志)」「できること(能力)」「やらなければいけない理由(必然性)」を整理し始めます。まず「やりたいこと」として大きかったのは「捨てきれなかった憧れ」と「主観を磨くこと」でした。
子どもの頃から漫画家に興味があり、クリエイティブへの憧れをずっと持ち続けていたこと、新卒採用の仕事で美大生と多く接する中で「一生懸命生きている人が多い」と美大生に対する憧れを抱いている自分に気づきました。また、20年以上の会社員生活を経て、育った「やりたいこと」もあったそうです。
「社会をより良くしていき、多くの人が暮らしやすく、生きやすい世の中を実現したいと思いました。そのためには、幸せのかたちを変えていく、もしくはバリエーションを増やしていく必要があると考えました。
今の社会は依然として『数字・客観』でものごとを測る傾向が強いですが、それは『強弱』『貧富』『上下』で人を分けてしまいかねないものです。多くの人に敗北感や劣等感を与えてしまいます。それほどまでに数字は強い。
しかし、それに多くの人たちが抗えるたくましさや柔軟性を持てるよう、貢献していけたらと考えるにいたりました。そのために欠かせない要素は『美しさ・主観』であり、私が美術・芸術を学ぶことがそれらにつながるのではないかと思いました」


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