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東大受験は貧困からの「現実逃避」だった
ブレイディみかこ(以下、ブレイディ):『ヤングケアラーの僕が東大に合格するまで』を読ませていただいて、まず文中に「他の人たちから憧れられる存在になりたい」という言葉が出て来たので、「憧れられたい」というパワーワードが頭に浮かびました。
私の好きなイギリスのバンド、ザ・ストーン・ローゼズの曲に『I Wanna Be Adored(憧れられたい)』という曲があるのです。まさに青春のパワーワードですよね。
また、東大に合格するという目標に向かってがむしゃらに勉強したことが、生活保護という現実からの「現実逃避」と書かれていたのが非常に深いと感じました。
だから、僕は夢を見続けていたんだと思います。「生活保護の子ども」という現状から目を背そむける、現実逃避にすぎなかった。これは残酷な現実です。
(『ヤングケアラーの僕が東大に合格するまで』p.212より)
依存症の患者の方は、薬物やアルコールを大量に摂取して寝ることを「寝逃げ」と呼ぶことがあるそうです。清野さんの「勉強」とは一見正反対に見えますが、耐え難い現実から逃げるために必死で何かに没頭しなくてはならないという点で、何か自己防衛の本能なのかもしれないと思いながら読みました。



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