有料会員登録
ビジネス

職員は基準より1人多く、街にひらく《理想の保育園》…「代表が外で年2000万円稼いで穴埋め」を経て6園に広げた経営の実態

17分で読める
「まちの保育園・こども園」を運営するナチュラルスマイルジャパン代表の松本理寿輝さん(写真:筆者撮影)
2/9 PAGES
3/9 PAGES

ところがスタートした園には、ほとんど家具がなかった。家具を買う余裕もないほど、経営が厳しかったのだ。

「ホームセンターで木材を買ってきて、職員と一緒に家具をDIYでつくっていました。みんな木工の技術がどんどん上がっていって(笑)。でも、僕自身にとっても『子どもにちょうどいい棚の高さってなんだろう』『安全な面取りはどうしたらいいんだろう』といったことへのセンサーが磨かれた経験でもありましたね」

木のぬくもりを感じられる小竹向原園の保育室。左手のガラスの先にはベーカリーカフェ「まちのパーラー」がある(写真:ナチュラルスマイルジャパン株式会社)

「既成の家具がなくても大丈夫」と自分に言い聞かせてはいたが、一歩間違えれば破綻しかねない深刻な状態。その理由は、大きく2つあった。

1つは職員配置だ。「まちの保育園」では、例えば朝、子ども一人ひとりが自分のやりたいことを選ぶのが特徴だ。保育者は、その日の子どもたちの様子を見ながら、遊びや学びをサポートしていく。

小竹向原園の園庭。ここで子どもたちは自由に遊ぶ(写真:ナチュラルスマイルジャパン株式会社)

人員を厚く置くほど圧迫された経営

「一斉保育なら、ある程度『こうしよう、ああしよう』というプログラムに沿って進められます。でも、子ども一人ひとりの思いや探究の芽に沿って環境をつくろうとすると、小グループ活動がいくつかできる。保育者も臨機応変に動かなければならないし、自分で研究する必要も出てくる。それを一般の園と同じ職員配置でやったら、先生たちに余裕がなくなってしまいます。だから少しゆとりのある厚めの配置にしようと思ったんです」

しかし、認証保育所の補助単価は決まっている。人員を厚く置けば置くほど、経営は圧迫された。

もう1つは、家賃だ。将来の認可保育園への転換を見据えて、認可並みの広さを確保していたため、家賃や設備費も重くのしかかった。

4/9 PAGES
5/9 PAGES
6/9 PAGES
7/9 PAGES
8/9 PAGES
9/9 PAGES

こちらの記事もおすすめ

あなたにおすすめ

ビジネス

人気記事 HOT

※過去1ヶ月以内に配信した記事の閲覧数