小学4年生で公文に通い始めた頃、母親は「公文に行ったらお小遣い50円」という報酬制度を作ったが、亀田さんにとっては公文で「新しい問題が解ける」ことそのものが報酬だった。50円をもらい忘れる日のほうが多く、いつの間にか制度自体が自然消滅していたという。小学生の頃から背も高く、勉強だけでなく運動も音楽も、たいていのことはそれなりにできた。
できることが増えれば、もっといろいろな問題を解けるようになる。その先には、宇宙という途方もなく大きな謎が待っている。
中学生で相対性理論を手計算
中学生の頃、科学雑誌『Newton』を読んで相対性理論の存在を知った。速く動くほど、時間の進みが遅くなる――そんな馬鹿なことがあるのか。亀田さんの好奇心に火がついた。
本で見つけた特殊相対性理論の公式に、自分で具体的な状況を設定し、実際の数字を代入して計算を始めた。この速さで動いたら、時間はどれくらい遅くなるのか。正しい解き方を教わったわけでもない中学生が、ノートに向かって手計算で「時間の遅れ」を割り出していった。
「今から考えると、相対論の本質がわかっていたわけではまったくないんです。でも、計算自体は合っていたと思います」
同じ頃、もうひとつ、亀田さんを捉えて離さない疑問があった。等加速度運動の公式につく「1/2」である。
距離を求める式に、なぜ2分の1が出てくるのか。教科書は理由を教えてくれない。わからないことがわからないまま置かれているのが、亀田さんは許せなかった。中学の知識だけで、自分なりに理由を考察し続けたという。
その「種明かし」は、高校に入ってから訪れる。数学で微分積分を習ったとき、速度を積み重ねていけば面積として距離が出る、その三角形の面積こそが「1/2」の正体だったと、腑に落ちた。
「あ、これが欲しかったんだ、と思いました」
わからないことを放置せず、自分の手で考え抜く。中学生の頃のその癖が、後の亀田さんの武器になっていく。


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