千葉県の印旛沼の堤防が決壊してしまった。実は、同県にある筆者の自宅前には、もともと印旛沼流域の河川だった、小さな高津川が流れている。普段は穏やかな流れだが、2014年8月、広島で大規模土砂災害が起きた同じ日に、この高津川は突然氾濫し、周辺は深刻な水害に見舞われた。原因は、本流である花見川の水位が急上昇し、支流の高津川の水がはけなくなったためだ。大和田排水機場が新川の水を東京湾側へ排水したことで花見川の水位が上がり、高津川が押し戻される、典型的な内水氾濫だった。
「印旛沼の堤防決壊」のようなことが、相場でも起きるのか?
ここで言う「新川」は、千葉県の八千代市を縦断する大きな川のことだが、普段は流れがなく、同県「北東部」の印旛沼とつながっており、全長約10キロの巨大な調整池となっている。しかも大和田排水機場で、千葉県「北西部」の花見川に到達している。
少し長くなってしまったが、つまり、印旛沼は全国でも珍しい「二方向排水」で、利根川側と東京湾側のどちらにも排水できる構造になっている。1960年に利根川側の印旛排水機場、1966年に東京湾側の大和田排水機場が完成して以来、印旛沼本体の堤防が決壊するような大規模水害は起きていなかった。あの江戸幕府老中・田沼意次の失脚原因ともなった印旛沼治水に対する完璧なシステムが約200年かけて、できあがっていたわけだ。それが今回の雨には役に立たなかったことになる。恐ろしいほどの気候の変化だ。
同じようなことは、相場にも言える。日米とも利上げ方向にあるが、日本株は耐えられるのか……。通常であれば「利上げ=株安」という図式が想起される。しかし、今年の日本株はその常識に当てはまらない。むしろ、年末に向けて株価を押し上げる複数の構造的要因がそろいつつある。


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