為替が急変しない以上、企業業績は底堅く、日経平均を1つの会社に見立てた場合の予想EPS(1株利益)4000円の期待は維持されており、半導体セクターの業績下方修正も起きていない。東京エレクトロンとアドバンテストの寄与度を見ると「AI物語の“下巻”」が始まったようだ。もしドル円相場が150円程度へと円高方向に進んでも、増益幅が縮むだけで、減益にはならないだろう。業績が崩れない限り、利上げは株価の重石にならない。
需給面や消費環境も下支え、「年末高」は十分に起こりうる
さらに、日本株には需給の強さがある。日銀が発表している8月のマネーストック速報によると、広義流動性は2342兆円と過去最高を更新し、資金の滞留が株式市場に向かいやすい。また、企業の自社株買いも年間16兆円規模と過去最大で、需給を直接押し上げる。しかも、これから年末にかけて、12月は配当再投資やドレッシング買い(お化粧買い)が入りやすく、季節性も強い。金利よりも強い需給が、年末高の下支えとなる。
まだある。消費環境も決して悪くない。アメリカのクリスマス商戦は過去最高の1兆ドル超えが予想され、EC(電子商取引)も前年比で8〜11%増予想と強い。日本では明確な予想は出ていないが、賃上げとボーナス増が消費を支え、アメリカ同様、ECの拡大が年末の売上を押し上げると見る。外需・内需ともに極端な悪化は見られず、企業収益の下支え要因となる。
このように、日本株は「利上げ=株安」という単純な構図では語れない。アメリカは利上げのピークアウト、日本は正常化の途上で金利差は縮小しても円高は限定的で、業績と需給は強い。結果として、「年末高」は十分に起こりうると見る。
短期的株価動向を見ても、日経平均は9月の「メジャーSQ(特別清算指数)」値である6万3039円が「再スタート地点」になっており、先週末25日(6万6364円)時点での、25日移動平均線との乖離率+1.67%は、上値トライのシグナルだ。
(当記事は「会社四季報オンライン」にも掲載しています)


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