価格には割高感を覚えながらも、また来たいと思わせる。果実屋珈琲の強さは、料理だけではなく、店で過ごす時間そのものにもあるのだろう。
焼肉きんぐの会社が、なぜ1兆円の喫茶市場に入ったのか
果実屋珈琲を運営するのは物語コーポレーション(東証プライム・3097)だ。焼肉きんぐ、丸源ラーメン、寿司・しゃぶしゃぶ ゆず庵などを展開し、2026年6月30日時点でグループ919店舗を持つ。
その会社が果実屋珈琲を始めたのは2023年6月。1号店(東京都調布市の調布深大寺店)の開業時のリリースを見てみよう。富士経済「外食産業マーケティング便覧2023 No.2」を引き、喫茶カテゴリーの2023年市場を前年比106.4%の1兆3794億円と見込むとしたうえで、同社が掲げる「大マーケットの差別化」戦略に基づいて開発したと説明している。
1号店の規模は90.7坪、82席、駐車場39台。同社は公式の事業紹介で果実屋珈琲を「郊外型喫茶店」、2025年の株主向け資料では「郊外ロードサイド型カフェ&ショップ業態」と表現している。郊外ロードサイドの大箱で、1兆円規模の市場に入っていくというわけだ。
ところがこの業態は、3年経ってもまだ4店しかない。2026年6月期に、物語コーポレーションは焼肉きんぐを21店舗、丸源ラーメンを19店舗出店している一方で、果実屋珈琲は1店舗だった。
事業ポートフォリオの図で、果実屋珈琲は「次期成長ブランド(規模拡大)」に置かれている。専門店・新業態カテゴリーの売上高は、2028年6月期に139億円を計画する。
果実屋珈琲について、2025年8月の決算説明資料では「多店舗展開に向けた供給網の確保と店舗体制の整備」、2026年5月以降は「多店舗展開に向けたフォーマットの改善」と変化している。


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