これは大学病院としてはかなり少ない。もちろん、これは鹿児島大学病院小児外科の治療がよくないから患者が集まらないのではなく、少子化の影響で赤ちゃんが少ないからである(ここは誤解なく!)。
新生児症例の数が少ないと何がよろしくないかというと、若手〜中堅医師が手術を学ぶことができないから。
若い先生は専門医という資格を目指し、中堅の医師は指導医という資格を目指す。特に指導医という資格は、文字通り後進に手術を指導するポジションに与えられる資格なので、小児外科医であれば、誰もが指導医になることを目指す。
しかし、新生児外科症例の数が年間9例では、いったいいつになったら資格が取れるのか、ぼくにはとても想像がつかない。
こういう状況を研修医が見れば、その研修医は将来、小児外科医になろうと思わないかもしれない。医師の数が減れば、小児外科という診療・学問が衰退しかねない。これは鹿児島大学病院だけの問題ではなく、日本全体の問題である。
少子化は患者家族にも大きな負担を強いる
患者数が少なければ、新たに小児外科手術ができる施設を作るという発想には絶対にならない。そうすると、過疎化の進行する地方は、広大な面積の中に小児外科施設が点在するという形から脱却できなくなる。
たとえば、北海道。北海道の小児外科施設は、札幌と旭川にあるだけである。道東や道北の患者はどうすればいいのか。つまり、少子化という問題は、医師を育てられないだけでなく、患者家族にも大きな負担を強いることになる。


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