そんな少子化の時代にあって、なんとか踏ん張っているのが小児科・小児外科である。横ばいかわずかな減少程度にとどまっている。でも、赤ちゃんの次は小児なので、近い将来、小児科医・小児外科医は減少するとぼくは見ている。
患者が減って、ニーズが減るので医師数が減るのは必然であるが、実はもっと深刻な問題もある。それは若い医師を育てようにも育てられないということだ。
患者を見なければ経験を積みようがない。だけど、患者がいくら減っても最終的にはゼロにはならないので、ちゃんとした治療ができる医師が存在しなければ、困るのは患者である。この問題は、現在、日本小児外科学会の中で大問題になっている。
新生児の「手術や処置」が9例だった鹿児島大学病院
ぼくが働いている千葉市(千葉県北西部)は、トカイナカである。都会と田舎の中間という感じ。少子化は肌で感じているが、そこまで患者が少ないという脅威には接していない。
これが地方となると話はまったく違ってくる。
以下の話は「悪口」ではないので、冷静に聞いてほしい。
鹿児島県鹿児島市は人口およそ59万人で、政令指定都市ではない県庁所在地としては人口日本一である。市には、鹿児島大学病院小児外科と鹿児島市立病院小児外科がある。どちらも名門の小児外科として名高い。
その鹿児島大学病院小児外科のホームページを見てみよう。2024年のデータを見ると、「手術や処置」を行った新生児の件数は9例とある。新生児とは生後28日未満の赤ちゃんのこと。
小児外科医というのは、ふだん鼠径ヘルニア(=脱腸)の手術ばかりしているが、新生児の手術を行うことに小児外科の「存在理由」がある。新生児の手術は小児外科医にしかできないし、小児外科医なら新生児外科疾患の手術をできなければならない。
では、この9例という数が多いのか、少ないのか?


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