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ライフ #開業医がこっそり教える医療のリアル

《新生児手術は年9例》間近に迫る地方小児医療崩壊の足音…「少子化」と将来の「小児外科医不足」が患者家族に強いる負担

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赤ちゃん 手
しっかりと治療ができる医師が育たなければ、困るのは患者です(KJ-ArtFilms/PIXTA)
  • 松永 正訓 医師・ノンフィクション作家
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そんな少子化の時代にあって、なんとか踏ん張っているのが小児科・小児外科である。横ばいかわずかな減少程度にとどまっている。でも、赤ちゃんの次は小児なので、近い将来、小児科医・小児外科医は減少するとぼくは見ている。

患者が減って、ニーズが減るので医師数が減るのは必然であるが、実はもっと深刻な問題もある。それは若い医師を育てようにも育てられないということだ。

患者を見なければ経験を積みようがない。だけど、患者がいくら減っても最終的にはゼロにはならないので、ちゃんとした治療ができる医師が存在しなければ、困るのは患者である。この問題は、現在、日本小児外科学会の中で大問題になっている。

新生児の「手術や処置」が9例だった鹿児島大学病院

ぼくが働いている千葉市(千葉県北西部)は、トカイナカである。都会と田舎の中間という感じ。少子化は肌で感じているが、そこまで患者が少ないという脅威には接していない。

これが地方となると話はまったく違ってくる。

以下の話は「悪口」ではないので、冷静に聞いてほしい。

鹿児島県鹿児島市は人口およそ59万人で、政令指定都市ではない県庁所在地としては人口日本一である。市には、鹿児島大学病院小児外科と鹿児島市立病院小児外科がある。どちらも名門の小児外科として名高い。

その鹿児島大学病院小児外科のホームページを見てみよう。2024年のデータを見ると、「手術や処置」を行った新生児の件数は9例とある。新生児とは生後28日未満の赤ちゃんのこと。

小児外科医というのは、ふだん鼠径ヘルニア(=脱腸)の手術ばかりしているが、新生児の手術を行うことに小児外科の「存在理由」がある。新生児の手術は小児外科医にしかできないし、小児外科医なら新生児外科疾患の手術をできなければならない。

では、この9例という数が多いのか、少ないのか?

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