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ライフ #開業医がこっそり教える医療のリアル

《新生児手術は年9例》間近に迫る地方小児医療崩壊の足音…「少子化」と将来の「小児外科医不足」が患者家族に強いる負担

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赤ちゃん 手
しっかりと治療ができる医師が育たなければ、困るのは患者です(KJ-ArtFilms/PIXTA)
  • 松永 正訓 医師・ノンフィクション作家
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さて、少子化と直接関係のある診療科で医師数が減っているのは産婦人科である。

それはそうだよね。厚生労働省のデータを見てみた。医師数の推移のグラフでは2006年頃に大きな「底」がある。これはなぜだろう。

産科医が「逮捕までされるなんて、もうやってられない」

因果関係ははっきり断言できないが、大野病院事件の影響ではないか。

04年に福島県立大野病院で帝王切開を受けた産婦が癒着胎盤のために大量出血で亡くなるという痛ましいできごとがあった。遺族の悲しみと憤りはいかばかりであったであろうか。

だが、このできごとが「事件」と呼ばれている理由は、06年に執刀医が業務上過失致死罪などの疑いで逮捕されたことにある。逮捕までしなくてはいけなかったのか?

日本の刑事裁判では有罪率が99.9%というのはみなさんもご存じだろう。この医師は0.1%の方に入った。医師の行為は当時の医学水準において合理的であり、過失はないというのが判決理由だった。

当然、医学界から猛烈な検察批判が巻き起こったし、現場の産科医からは強い反発があった。「逮捕までされるなんて、もうやってられない」という友人の産科医もいた。

この事件の影響があるのかないのか、産科医人気は長期低落傾向である。開業している産婦人科の医師たちでも、産科をやめて婦人科だけをやっている人がけっこういる。

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