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虐待、窃盗、遺言状詐欺、不正請求…「介護現場の闇」を赤裸々に暴く元文春記者の矜持 "施設選び"で気をつけるポイントは?

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甚野博則
介護現場の裏側を、ノンフィクションライターの甚野博則氏に聞きました(撮影:尾形文繁)
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ーー介護事業者の間で、そういった不正請求が当たり前になっているのですか。

われわれが取り上げるのは極端に不正に手を染めている施設なので、もちろん業界全体にそういう土壌があるわけではないと思います。ただ、全体の一部にはそういう事業者がいて、数として少なくもないことも感じます。

ーーどのくらいの割合で存在するのでしょうか。

統計データなどはありませんので一概には言えません。東京と関西では介護の状況がけっこう違うので、地域にもよると思います。

悪徳事業者のタレコミは多いのですが、それらは同じ地域のライバル事業者であることが多い。相手を蹴落とすためではなく、不正を行っていることが許せないからです。そこから感じるのは、町に1社くらいはそういう事業者がいるのではないかということです。

甚野 博則(じんの・ひろのり)/1973年生まれ。ノンフィクションライター。大学卒業後、大手電機メーカーや出版社などを経て2006年から『週刊文春』記者に。「『甘利明大臣事務所に賄賂1200万円を渡した』実名告発」などの記事で「編集者が選ぶ雑誌ジャーナリズム賞」のスクープ賞を2度受賞。現在はフリーランスのノンフィクションライターとして、週刊誌や月刊誌を中心に社会ニュースやルポルタージュなどの記事を執筆。近著に『実録ルポ 介護の裏』(文藝春秋)、『ルポ 超高級老人ホーム』(ダイヤモンド社)がある(撮影:尾形文繁)

「とんでもない施設は結構ある」

ーー不正を行っている事業者に実際に会ったときの印象を教えてください。

彼らには罪悪感がありませんでした。彼らの言い分は、人材不足と介護保険制度によって、いくらがんばっても利益が上がらず、事業が成り立たないということです。「介護事業を継続するため」という彼らにとっての正論を堂々と振りかざしている印象です。

ーー虐待を行った施設従業員にも会っていますか。

被害を受けた方から話を聞いて、施設側の当人に会ったことがありますが、決して認めませんでした。印象としては、きっと虐待行為はあったと思います。でも、証拠がないことが多いので、記事にするのはなかなか難しいことが多いです。

(撮影:尾形文繁)

ーーこれまで取材してきたなかで、許せないと思った施設はありますか。

これまでの記事で取り上げていますが、とんでもない施設はけっこうあるんです。本書で言えば「グル」の回。介護事業者と身元保証会社、弁護士、僧侶など関係各所がタッグを組んで被介護者たちに群がって商売している様を描きました。もちろん彼らにも言い分はあるのですが、客観視してこれはひどいと思いました。

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