ーー介護事業者の間で、そういった不正請求が当たり前になっているのですか。
われわれが取り上げるのは極端に不正に手を染めている施設なので、もちろん業界全体にそういう土壌があるわけではないと思います。ただ、全体の一部にはそういう事業者がいて、数として少なくもないことも感じます。
ーーどのくらいの割合で存在するのでしょうか。
統計データなどはありませんので一概には言えません。東京と関西では介護の状況がけっこう違うので、地域にもよると思います。
悪徳事業者のタレコミは多いのですが、それらは同じ地域のライバル事業者であることが多い。相手を蹴落とすためではなく、不正を行っていることが許せないからです。そこから感じるのは、町に1社くらいはそういう事業者がいるのではないかということです。
「とんでもない施設は結構ある」
ーー不正を行っている事業者に実際に会ったときの印象を教えてください。
彼らには罪悪感がありませんでした。彼らの言い分は、人材不足と介護保険制度によって、いくらがんばっても利益が上がらず、事業が成り立たないということです。「介護事業を継続するため」という彼らにとっての正論を堂々と振りかざしている印象です。
ーー虐待を行った施設従業員にも会っていますか。
被害を受けた方から話を聞いて、施設側の当人に会ったことがありますが、決して認めませんでした。印象としては、きっと虐待行為はあったと思います。でも、証拠がないことが多いので、記事にするのはなかなか難しいことが多いです。
ーーこれまで取材してきたなかで、許せないと思った施設はありますか。
これまでの記事で取り上げていますが、とんでもない施設はけっこうあるんです。本書で言えば「グル」の回。介護事業者と身元保証会社、弁護士、僧侶など関係各所がタッグを組んで被介護者たちに群がって商売している様を描きました。もちろん彼らにも言い分はあるのですが、客観視してこれはひどいと思いました。


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