まるでF1パイロットがマシンの状態を確認するインスタレーションラップのように、機械の動作を一瞬だけ感じとる。しかし、その直後には次のギアへ滑らかにつながっている。この作り込まれたシームレスさが面白い。
現代技術の極みとは? 特に趣味性の求められる場合には、その存在をすべて消してしまうことではないのかもしれない。
ドライバーに必要な情報だけを残し、それ以外を徹底的に消していく。DB12 S Volanteの8速ATには、そんな大人の技術を感じた。
デジタルとアナログの調和、最新のインフォテインメントシステム
そしてもうひとつ、現代のアストンマーティンを象徴するように感じたのがインフォテインメントだ。タッチパネルを中心としながら、コンソールにはアナログスイッチがしっかりと残されている。
すべてをタッチパネルに押し込まない。かといって、昔ながらの操作系だけでもない。指で触れるべきものと、手の感触で操作したいもの、その境界線に、実に巧みな「大人のさじ加減」がある。
最新技術を採用しながら、人間がクルマと接する感覚を置き去りにしていない。ここにもアストンマーティンらしさを感じた。
高速道路からワインディングへ、気がつく骨格のすばらしさ
高速道路から箱根へ向かう。
ここから、DB12 S Volanteのもうひとつの顔が見えてきた。市街地で感じた「取りまわしの良さ」が、ワインディングでは「正確さ」に変わっていく。
そして、ここで初めて、このクルマの「骨格」を意識した。
DB12 S Volanteのボディシェルは、アルミニウム・ボンデッド・モノコック。アルミニウムのパネルや押し出し材を、強力な構造用接着剤によって接合し、一体構造としている。
さらにボディパネルにもアルミニウムとコンポジットが使われる。異なる素材を適材適所で使い分けながら、軽量化と剛性、そしてボディとしての精度を追求する。


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