提供台数は40台。2027年第1四半期から実際の顧客物流オペレーションへ投入され、過酷な幹線輸送の現場でTCO(総保有コスト)や耐久性が丸裸にされる。
ダイムラーとボルボが立ち上げたFC合弁会社「cellcentric(セルセントリック)」への対等出資参画、さらにはイベコ(IVECO)との「EMPOWER」プロジェクト(航続距離900km超を目指すS-Way Fuel Cell)に続き、スカニアまでもが加わったことで、トヨタは欧州大型トラック市場の実に「約8割」をカバーする連合体を完成させたのだ。
ただ、なぜ欧州で覇を競い合うライバルメーカーたちが、こぞってトヨタを中心に結束できたのか。中嶋副社長に質問をぶつけると、ニヤリと笑いながら明かしてくれた。
「僕らが欧州で大型トラックを作ってビジネスをしていないことが、かえって功を奏したのかもしれませんね」
競合相手ではなく「技術のサプライヤー」として
欧州のトラック市場は、何十年にもわたり血で血を洗うシェア争いを繰り広げてきた。
ライバル同士が直接手を結ぼうとすれば、どうしても主導権争いが勃発する。しかし、トヨタは欧州で大型トラックを自社販売していない。つまり競合相手ではなく、純粋な「技術のサプライヤー」であり、中立的な立場だからこそ、各社を調整する“通訳”となり、強固なハブとして機能することができたのだ。
「カーボンニュートラルの敵は炭素であり、内燃機関や特定の技術ではない」
日本で培ってきたブレない信念と、誰かの役に立つために自らのリソースを差し出す利他の精神があったからこそ、目の色を変えて覇権を争っていた欧州の巨人たちも、トヨタの差し出した手を取り、同じテーブルに着くことができたのだ。
お互いのプレスカンファレンス後に行なわれた「トヨタ×スカニア ラウンドテーブル」でも、提携の生々しい本音と熱気が交錯していた。壇上には、スカニアのサラ・フォースバーグ副社長兼CTOとトニー・サンドバーグVP、トヨタ側からは中嶋副社長兼CTOとTMEのティボー・パケVPが並んだ。
質疑で記者から「なぜスカニアはトヨタを選んだのか?」と問われたフォースバーグCTOは、一切の迷いなく次のように答えた。


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