日本でも、熱中症はすでに深刻な問題になっています。環境省の影響評価でも、熱中症による死亡者数は増加傾向にあり、近年は年間1000人を超えるとされています。これは、暑さが単なる「不快な気候」ではなく、命に関わるリスクになっていることを示しています。
そして、温暖化が進むと猛暑日や熱帯夜はさらに増えると予測されています。
同じ暑さでも、その危険度は全員に一律のものではありません。高齢者は体温調節の働きが弱まりやすく、暑さや脱水の影響を受けやすくなります。子どもも体が小さく、地面に近いところで活動することが多いため、強い暑さの影響を受けやすい存在です。持病のある人や妊娠中の人、屋外で働く人、運動をする人も注意が必要です。
また、住まいの条件や経済的な事情によってもリスクは変わります。エアコンがあっても電気代を気にして使いにくい人もいますし、そもそも冷房設備が十分でない住宅もあります。
さらに、建設、農作業、配送、警備、屋外イベントなど、暑い場所で働く人にとっては、健康リスクだけでなく、作業時間や作業効率、安全管理の問題にもつながります。
ここでも、「気候リスク」という考え方が重要になります。危険な暑さそのものに加えて、それを受ける人や社会の条件によって、被害の大きさは変わるのです。
豪雨や土砂災害と健康被害
温暖化による健康影響は、熱中症関連だけではありません。豪雨や洪水、土砂災害が増えれば、けがや死亡のリスクが高まります。住宅が被害を受けたり、避難生活が長引いたりすれば、心身のストレスも大きくなります。
また、気温や雨の降り方が変わると、感染症を媒介する生物の分布が変わる可能性もあります。蚊やダニのような生物が活動しやすい地域や時期が変われば、これまでリスクが小さかった地域でも注意が必要になるかもしれません。


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