さらに、農業や水資源への影響が食料や水の不足につながれば、栄養や衛生の問題として健康に跳ね返ってくることもあります。
人の健康は、気温だけでなく、水、食料、災害、生態系、社会の備えとつながっています。温暖化の健康影響を考えるときには、暑さそのものに加えて、こうした間接的な影響も見ていく必要があります。
都市では「温暖化×ヒートアイランド」
都市生活では、暑さの問題がさらに強く現れやすくなります。都市ではアスファルトやコンクリート、建物の密集、人工排熱などによって、周辺より気温が高くなる「ヒートアイランド現象」が起こります。そこに地球温暖化による気温上昇が重なると、都市の暑熱リスクはいっそう大きくなります。
とくに夜間に気温が下がりにくいことは重要です。
昼間の暑さだけでなく、夜も体を十分に休められない状態が続けば、睡眠や体調に影響します。冷房を使えばしのげる面はありますが、電力需要は増えますし、冷房を十分に使えない人もいます。都市の暑さは、住宅、エネルギー、医療、福祉の問題ともつながっているのです。
暑さの影響は、日常生活の時間割にも表れています。
かつては冷房のなかった学校でも、いまでは夏の教室にエアコンが必要になっています。運動会や部活動、屋外イベントも、暑い時間帯を避けたり、時期をずらしたりする対応が求められています。花火大会やスポーツ大会の開催時期が見直されることもあります。
さらに都市は、電気、水道、通信、道路、鉄道、住宅など、多くのインフラによって成り立っています。猛暑が続けば電力需要が増えます。豪雨や台風が重なれば、道路や鉄道が止まったり、浸水によって電気・水道・通信に影響が出たりすることもあります。
都市では多くの人と資産が限られた場所に集中しているため、1つの災害が生活全体に波及しやすいという特徴があります。猛暑が電力需要を増やし、豪雨や台風が交通や通信を止めるように、健康、インフラ、仕事、日常生活への影響は互いにつながっています。
温暖化は、健康のみならず、都市の機能や暮らしの安定にも関わる問題なのです。



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