もちろん、すでに70歳までの継続雇用を採用済みの企業もあり、こうした会社が平均を押し上げている傾向もあろう。
厚生労働省の令和7(2025)年「高齢者雇用状況等報告」によれば、70歳までの雇用確保(法律上は努力義務)を達成済みの企業は34.8%となっている(*2)。
3社に1社は実は、70歳雇用を実現済みというわけだ。
いずれにせよ、社員は国の年金支給が開始となる65歳でリタイアするのではなく、「もっと長く働いてほしい!」という企業の本音が聞こえてくるようだ。
*2ー厚生労働省「令和7年『高年齢者雇用状況等報告』の集計結果を公表します」
中小企業のほうが高齢期雇用に前向き
「企業が期待する『活躍年齢』に関する動向アンケート」の調査結果では、企業規模別の違いも示しており、ここでは企業規模による差がはっきり表れている。
大企業と中小企業とのあいだで、思惑の違いがあるのだ。
社員に何歳まで働いてほしいかについての回答が、小規模企業では68.3歳、中小企業では68.1歳と平均を上回った一方、大企業は66.8歳と平均を押し下げる低い年齢となっているのだ。
大企業は相対的に人材の余裕があること、また高年収の待遇を維持し続けることが重荷になっていることなどが要因としてあり、高齢期雇用に前向きにならない傾向がある。
先ほど述べた70歳雇用確保義務の達成率も、大企業では29.5%と、平均を5.3ポイントも下回っている。
最近では塩野義製薬が「実質的な定年廃止」を目指すとして話題となったものの、「リタイア・シフト」が起きている最前線は、中小企業である。
60歳定年制から65歳定年制への変更に踏み切る企業も、中小企業の割合のほうが高い。
なかなかニュースには表れないが、中小企業のほうが大企業よりも積極的に高齢期雇用に動いている。
これは中小企業に働く会社員にとってはポジティブなニュースだろう。


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