著書『RETIRE SHIFT(リタイア・シフト) 人生100年時代の引退戦略』が話題を呼んでいる山崎俊輔氏が、高齢人材の雇用にまつわる企業の思惑を分析します。
企業は「68歳まで」社員に働いてほしい
私は今、わが国に起きているリタイアについての社会変化を「リタイア・シフト」と名付け、企業の立場として行動すべきこと、個人の立場として考えるべきことなどを紹介しているが、またひとつ「リタイア・シフト」時代の到来を裏付けるデータが公表されている。
それは帝国データバンクが2026年9月11日に公表した「企業が期待する『活躍年齢』に関する動向アンケート」だ(*1)。
これは企業サイドに対して行ったアンケートで、社員に何歳まで働いてほしいかについて、本音を聞いたものだ。
また、在籍している最高齢の社員は何歳かも聞いており、本当に必要な人材を何歳まで引き留めているかがうかがえるデータとなっている。
調査結果を見る前に、前提を確認しておこう。
日本では現在、65歳までは継続雇用などの制度で雇用を維持する義務が会社にある。そして、これを70歳まで引き上げることが努力義務となっている。
つまり「雇用は65歳まで」が法律上の要請だ。
アンケートでは、本当は社員に何歳までいてほしいと考えているか、「企業が期待する『活躍年齢』」をたずねたところ、回答は平均で67.9歳となった。
多くの企業が社員に対して、65歳を超えて働き続けてほしいと考えているわけだ。
人材不足は深刻で、新卒人材はなかなか見つからない。なんとか新卒を確保して、業務スキルを身に付けてもらうための研修コストをかけても、すぐに転職してしまうのも人事部の悩みだ。
しかし、社内に目を向ければ、業務に精通していて、離職意向も低いシニア人材がたくさんいる。
社内制度が「60歳定年、65歳まで継続雇用」である会社はまだ多いとしても、「本当は65歳で辞めてもらうのではなく、もっと長く働いてほしい」という企業側の考えが、68歳という回答の数字に表れている。
*1ー帝国データバンク「企業が期待する『活躍年齢』に関する動向アンケート」2026/09/11



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