メキシコの世帯平均所得(年収約280万円)を考慮すると、日本への往復航空券(ANAのメキシコシティ発成田往復の直行便で総額26万円台~)にくわえて日本での滞在費を払えるのは、限定的な富裕層といえる。一生に数回レベルのラグジュアリーな旅行と位置づけ、高額な消費を行う傾向が強くなると考えられる。
また、メキシコ人の場合、「東京・京都・大阪」のいわゆるゴールデンルートにとどまらず、金沢、広島、北海道、九州など、日本全国の周遊を好む傾向が強い結果、交通費の平均単価が高くなっている。
買い物額が多いのは?どこの国の人?
中東からの旅行者の支出が高いのは、宿泊費だ。1人当たりの宿泊費は全体平均の9万0482円に対し、中東は18万7179円と国・地域別でトップレベルに高いことにくわえ、買い物の金額が単価を押し上げている。
購買力の高い富裕層の家族の訪日が多く、子どもや親族、メイドなどが同行するケースが少なくない。そのため、1人あたりに換算すると必ずしも突出した数値にはならないが、グループ単位としての消費額は大きい。
買い物額が支出を押し上げていたのはロシア(15万0184円)、中国(10万5914円)である。
ロシア人の買い物額が高いのは、ウクライナ侵攻への措置として経済制裁を受けており、ロシア国内で入手しにくくなった高品質な衣料品、高級ブランド品、化粧品、精密電子機器などを代理購入やまとめ買いする人が多いからと考えられる。
滞在日数が短く、1日あたりの単価が高かったのは香港からの旅行者である。香港からの訪日客に占めるリピーターは約9割と非常に高い。また、米ドルに連動している香港ドルは、円と比べて非常に強く、日本での食事やショッピングが非常に割安となり、高額消費へのハードルが低いと考えられる。
訪日客の人数をみるだけでなく、国・地域ごとの多様な消費行動や背景にあるニーズをより緻密に読み解くことが求められているといえるだろう。


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