また、執行委員長なら月3万円、執行委員なら月1万5000円といった具合に、役職に応じて固定の手当が支払われることもあります。
こうした手当があるからこそ、活動のモチベーションが保たれるという側面は確かにあるでしょう。しかし、この手当制度は、新たな悩みの種にもなっています。
問題の本質は「タイパ」や「コスパ」そのものではない
ある労働組合では「手当の金額設定」で頭を抱えていました。「3000円では参加者が集まらないから、5000円にすれば来るだろうか?」といった議論に陥りがちですが、金額を上げ下げしたところで、本質的な問題解決にはなりません。
また、役職手当の形で支給する場合、「今月は一度も活動していない役員にも、手当を支払うべきなのか?」という疑問も生じます。手当が目的化してしまい、「今月は組合活動に4回出たから2万円稼いだ」と考える人が出てくるようでは、本末転倒です。
対照的に、別の労働組合では、活動手当を一切なくし、役員の純粋なモチベーションとやりがいだけで組織を運営しています。これは本当に素晴らしいことで、理想的な姿と言っていいでしょう。しかし、どの労働組合でもすぐに真似できることではありません。多くの労働組合では、たとえ少額でも手当を出すことで、なんとか役員のなり手を確保しているのが実態です。
ただ、その手当を天秤にかけても、組合活動のタイパ、コスパがよいとは言えないのが現実でしょう。「手当の3000円はいらないから、休ませてほしい」という声が出てきてしまうと、もはや金銭的なインセンティブだけでは限界があることは明らかです。
つまり、問題の本質はタイパやコスパそのものよりも、「終業後や休日を使ってでも参加したいと思えるほどの価値を感じてもらえていない」という点にあります。
さらに、活動時間の問題は、組合員の多様性を阻害する要因にもなっています。活動が夕方や土日に集中すると、時短勤務で働く人や、子育て・介護などで家庭の事情を抱える人の参加は、必然的に難しくなります。
UAゼンセンがパート・アルバイトの方々にも組合員資格を拡大した結果、非正規雇用の組合員が急増したという事実を考えれば、なおさらです。


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