ミクニは「MsMV」(ミクニ スマート マルチ バルブ) の実機をジャパンモビリティショー2025で公開したほか、同年6月にはスズキとBEV先行開発業務の委託で基本合意している。
さらに、興味深いのは「一括要素技術開発」だ。
これまで別々に開発・生産していた4輪用と2輪用の部品のうち、機能要素が重複しているものに関して一括して開発するという。
例えば、ETV(電子スロットル)で制御している空気、オイルポンプでのオイル、水ポンプでの水、コンプレッサーでの冷媒などで、キャブレターを起源とする流体圧力制御の観点から一括して開発することに挑戦する。
これが、2つ目の変革であり、MBCCE(モデル ベースド コモン コンポーネンツ エンジニアリング)というミクニの造語で表現している。
モノづくり関連5部門(開発、生産、調達、原価企画、品質)が連結した先行技術開発によって、「理想コスト」をはじき出す。これにより、仮にメーカーからのオーダーが変動したり、社会情勢が変化したりしても、柔軟に対応できるようになるわけだ。
こうした先行技術開発システムを、ミクニではMTDS(ミクニ テクノロジー デベロップメント システムズ)と名付けた。
徹底したフレキシブル生産の実現
そして3つ目の変革として、「技術戦略と生産・調達戦略の連動」がある。
生産サイドの渡部氏は「変化を恐れない。変化を受け入れるだけでもない。変化を価値に変え、利益に変える」と言い切る。事業が安定しているいまだからこそ、将来に向けて生産手法を変えるべきだと強調した。
具体的には、徹底したフレキシブル生産の実現である。
「(オーダーの)数量は約束されるものではなく、変動するもの」という不確実性を前提とした生産変革の実現に向けて、一歩ずつ前進し始めたところだ。
このような大変革によって、「自動車の文化継承」の実現と、それに伴う「日本自動車産業の強みの再認識」という大きな話に対して、切り込んでいくことが可能になる。


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