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アメリカは、AI覇権をめぐる世界的な競争で先頭に立とうとしている。だが、そのために不可欠なインフラであるデータセンターは、全米各地で強い抵抗に直面し始めている。
ドナルド・トランプ大統領は、アメリカのAI開発を遅らせかねない規制に反対する論拠の中心に、中国との技術競争を据えている。
「AIを制する者が勝つ」と述べ、AIを中国との地政学的・経済的競争を左右する中核的な要素と位置づけているのだ。アメリカのAI開発を実質的に減速させる政治的制約を課せば、重要な戦略的優位を失いかねない、というものだ。
トランプ大統領はデータセンターを「今後50年の石油」と表現
ところが、AI覇権をめぐる国家レベルの競争は、それを支えるインフラに対する地域社会の抵抗と、次第に正面から衝突するようになっている。
AIには膨大な計算能力が必要であり、それを支えるにはデータセンターと電力、さらに多くの場合、大量の水と土地が欠かせない。トランプ大統領はデータセンターを「今後50年の石油」と表現する一方、受け入れを拒む地域社会は投資と雇用を失いかねないと警告している。
トランプ大統領は反対姿勢を改めて鮮明にし、こう述べた。「AIとデータセンターを標的にした、実に異常な陰謀が進行している。そして、それを喜んでいるのは中国だけだ」。さらに、「AIが世界を乗っ取り、人類を滅ぼすなどという、AIにまつわるあらゆる悪い話は、すべてでっち上げ(HOAX)だ」とSNSに投稿した。
これに対し、バラク・オバマ元大統領は民主党に対し、AIとデータセンターへの規制強化を訴えるよう促している。こうしてAI規制とデータセンター建設は、2026年中間選挙でも緊張をはらむ争点となっている。
AI経済において、データセンターは不可欠な基盤だ。しかし、データセンターをめぐる対立は、巨大な計算施設をどこに建設するかという問題にとどまらない。それは、AIそのものをめぐるより大きな論争の代理戦となっている。
AIの進歩をどこまで加速すべきか。政府はどの程度まで規制すべきか。AIが生み出す莫大な経済的利益をどう分配すべきか。そして、AIの将来を形づくる政治制度に対し、テクノロジー産業がどこまで影響力を行使すべきか、という問いである。その根底には、さらに根本的な問いがある。AI革命が生み出す経済的利益を誰が手にし、そのコストを誰が負担するのか。
利益はAIエリートに集中、コストは地域住民が負担
アメリカでは、AIに対する不安が強まっている。
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