初回に参加したのは、3人のみ。その後も、数人しか集まらない状況が続いた。
風向きが変わったのは、2024年。SNS「スレッズ」に投稿した何気ないコメントに反響があり、数人しかいなかったフォロワーが急増した。それ以来、定員約12人のお茶会は毎回満席。月1回の開催を月2~3回に増やしても、現在まで席が埋まる状況が続いている。
耳に残った心無い言葉と嘲笑
コミュニティづくりと並行して、建設に協力してくれる企業を探していた。しかし、不動産会社やディベロッパーに話を持ち込んでも相手にされない。最初は興味を持って聞いてくれても、やり取りをしているうちにフェードアウトしてしまうこともあった。
ヒントを求めて、ある著名な建築家の講演に参加した。「恥ずかしがり屋で緊張しい」だという槙本さんは、最前列に座った。逃げられないように、自分を追い込むためだ。一番に手を挙げ、質問した。
「これから独身女性が増えて高齢になっていきます。そういう人たちの住まいが少なくて困っているんですけど、なにかアドバイスをもらえませんか」
すると、建築家は一言「もう冥土に行け」とだけ答えた。200人ほどが集まった会場で、男性陣からドッと笑い声が上がった。女性の声は聞こえなかった。
心ない言葉に傷ついたが、翌日コミュニティのメンバーたちに話を聞いてもらうことでなんとか気持ちをリセットできた。
協力してくれる会社がなかなか見つからないなか、ある時、知り合いから『空き家再生でみんなが稼げる地元をつくる 「がもよんモデル」の秘密』という本を紹介された。大阪市城東区蒲生(がもう)4丁目で古民家再生を手がける、不動産会社アールプレイの和田欣也さんらの共著だ。
「がもよん」とは蒲生4丁目のこと。和田さんはこのエリアで40店舗以上の古民家改修を行い、2021年度グッドデザイン賞のグッドデザイン・ベスト100に選出された。
「すごいおもしろい本で、わくわくしてきて。私、この人と仕事したいって思いました」
知人に紹介してもらい、和田さんにプレゼンをすると「おもしろい」と好意的な反応で、協働パートナーとして動き出すことになった。


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