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海自哨戒艦名が「すぎ」「ひのき」でいいのか?新型「さくら」級への雑木林のような命名が示す海自のおざなりな体質

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2026年3月に命名・進水式を行った哨戒艦「すぎ」(写真:海上自衛隊ホームページより)
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なぜ、このような問題が生まれたのだろうか。それは、計画に「真剣味」を欠いていたためだ。本来はOPV、すなわち哨戒艦のあるべき姿を考え抜く必要がある。だが、それを怠った。目先の課題である中国軍艦の監視に合わせただけの軍艦として作ってしまった。その結果である。

「雑木林」の名前では国民の誰も喜ばない

その象徴が艦名である。これこそが真剣味を欠く証明だからだ。本来なら、艦名を付ける際には、どういった名前にするか練りに練らなければならない。名前は国民との紐帯を作る重要な役割を持っている。

それなのに、「さくら」級は無思慮にも樹木名とした。まず、国民に響く名前ではない。日本海軍にも「さくら」以下の樹木艦名の例はあった。だが、後の植物艦名は「呉竹」や「夕顔」といった文学由来の命名に改めた。

また、過去に樹木名の有名艦もない。殊勲艦は松型駆逐艦の「竹」くらいだ。フィリピン・レイテ島での作戦でアメリカの駆逐艦を撃沈し、終戦まで生き残った。ほかの松型も勇敢に戦って沈んだが、敵に一矢報いた例はない。海自も草創期に採用例はあるが、対象は中古の上陸支援艇である。こちらは無名といってよい。

何よりも「地元」を持てない。地名にすればその土地との結縁が生まれる。好例は護衛艦「せんだい」だ。由来の鹿児島県薩摩川内(せんだい)市に加えて、通音となる宮城県仙台市でも大歓迎されている。

だからこそ、地名に由来する殊勲艦名を付すべきだったのだ。厳島や対馬、沖島、松島といった「しま」である。従来型掃海艇の名前だが、退役が進んでおりちょうど空いている。縁起となる島で大歓迎もされる。定員不足が問題となっている隊員募集にも効果を発揮することは間違いない。

だが海自は艦名選定に力を注いでいない。むしろ、ないがしろにしている。

候補名を選ぶ段階から、おざなりである。海自は専門家を配置していない。市ヶ谷の海上幕僚監部総務課の1等海尉が激務の傍らで、優先度の低い一業務として選んでいる。

候補名の吟味も、おざなりである。首脳部を構成する将官にもその機微はない。その9割は理工系である。入隊後も兵書や技術書、英語の試験競争を経て将官に出世する。期待するのは間違いだ。

哨戒艦の艦名はそれが露呈した。命名は一種の政治である。それからすれば政治的効果を期待できない樹木名は不適当となる。その認識を持てない。「雑木林に選挙権はない」と斥けるべきを斥けないのである。

ちなみに、潜水艦は「さくら」級以上の大失敗になっている。「そうりゅう型」潜水艦では「とうりゅう」(21年就役)や「たいげい型」の「らいげい」(25年就役)、つまり「闘龍」「雷鯨」としている。日本列島で用いられる日本語や琉球語、アイヌ語の固有語ではない。艦名としても二線級の漢語であり、しかも漢籍に依拠していない。いわゆる「厨二病」艦名としか言いようがない。

それでも海自は、その珍妙な命名にも恥じることもなく平然としている。この海自の言語感覚の欠如は、艦艇整備における重篤な問題である。

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