「本学のフローやシステムが一般的とは限りませんが」と前置きし、末吉氏はこう話す。
「どんな場面で合理的配慮を必要としているのか、ご本人の意思と意思表明を大事にしています。ただ、入学直後はどんな合理的配慮が必要か、ご本人もわからないと思います。そこで、意思を決定・表明するための情報をBHEが提供し、尊重しながら支援するというスタンスです」
本人の意思は尊重するが、「それは決して合理的配慮を受けるための意思表明や手続き等を、本人だけの責任にしない」と末吉氏は強調する。
2025年度にBHEに登録した障害学生数(すべての障害を含む)は5月の時点で170名で、このうち発達障害と精神障害の学生数は123名となっており、年度途中からBHEを利用し始める障害学生も少なくない。
「発達障害のある学生さんの登録や相談は増えていますが、それでも少数派です。大学は多数派に向けて作られた環境なので、大学側が少数派の意見を聞き、少数派の学生さんも過ごしやすいキャンパスや関わり方を考え、調整していく必要があります」(長山氏)
大学時代に「相談上手」になっておく
高校とは違い、大学生になると自分で情報を収集し、自分で情報やスケジュールを管理する場面が格段に増える。そのうえ、授業や教員によって課題提出のツールが異なることもある。さらに、親元を離れて一人暮らしや寮生活となり、生活がうまく回せずに学業に支障が出るケースもあるようだ。だからこそ、「困った時に駆け込める場所を作っておくと安心できる」と末吉氏。
「就職活動を含むキャリア形成ならキャリア支援チーム、こころの健康に関することなら学生相談室、体調なら保健管理センターなど、本学にはBHE以外にもさまざまな相談窓口があります。その一つでもつながりができれば、そこをハブにして、他の窓口につなぐことも可能です。困りごとがあったらこまめに相談し、解決していくと、相談上手になるはず。我々の仕事は、学生さんが充実した学生生活を過ごせるようお手伝いすること。大学で過ごす時間を、サポートや支援リソースをうまく活用するトレーニングの時間と捉えていただければと思います」
合理的配慮は、本人が希望して初めて提供されるもの。大学時代に自分の特性を知り、主体的にサポートを活用すること。その経験は、大学を卒業した後の人生に必ず活きるはずだ。


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