日本の歴代首相は、到底実現不可能な壮大な成果を約束して就任することが多い。安倍晋三は年2%の実質成長を約束した。岸田文雄は国民所得における家計配分の低下を食い止めると約束した。そして今度は、高市早苗が「絵に描いた餅」を振りかざす番となった。
彼女が最近提示した骨太方針では、平均実質GDP成長率を1.4%へと倍増させると主張する15年間で370兆円規模の官民投資計画が提案された。
本当にこの通りに投資したら状況は悪化
彼女の投資計画は実現しないだろう。もし実現したとしたら、17分野のプロジェクトの大部分は単なるハイテク版の"無駄な公共事業”にすぎないため、状況を悪化させるだけだ。
高市は企業の投資が少なすぎると主張し、通常の投資を超えて自らの計画のために300兆円を差し出すよう求めている。しかし、企業が現状以上の投資によって利益を得られる機会を見出しているなら、資金はすでに十分にある。現在、大企業のキャッシュフローは投資をGDP比で7%も上回っており(下図参照)、デジタル金庫に保管された内部留保は今やGDPの1年分に相当する。
これは放置された資金だ。事実上、企業は賃金引き上げ、投資、税金を通じて還元する以上の購買力を吸い上げることで、日本経済を停滞させている。不況を防ぐため、政府は「最後の買い手」として行動せざるを得ない。実際、2015年から今日までのGDP成長全体のなんと45%を政府支出が占めている。
高市は、なぜ企業がこれほど大量のキャッシュをため込んでいるのかを問い質していない。追加製品への需要が存在しない限り、企業は設備を拡大しない。しかし、実質賃金が低迷し、社会保障が削減されたため、実質個人消費は13年当時と同等かそれ以下の水準にとどまっている。また、超円安にもかかわらず、その穴を埋めるほど輸出は拡大していない。


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