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「職人のパン」を数値化し「誰が作っても同じ味」を実現…それでも大手スーパーが拡大路線をやめ《熱海周辺5軒》に絞った理由

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蒸しパン
できたてほやほやの蒸しパン。冷ましてからパッケージされる(写真:筆者撮影)
  • 谷口 素子 取材ライター・コラムニスト
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そして、場所も動かせなかった。

マックスバリュ東海は静岡県を中心に、神奈川、山梨、愛知、三重、岐阜、滋賀に店舗を展開する。それでも蒸しパンを買えるのは、マックスバリュ熱海、多賀店、咲見町店、湯河原店の4店舗と、ラスカ熱海の「熱海コレクション A-PLUS」コーナーだけだ。

かつては、静岡県内のほかの店舗でも製造していた。同じマニュアル、同じ数値、同じ手順。それでも、ほていやの味にならなかったそうだ。長倉昌彦店長はこう話す。

「ガスとオール電化では、味がまったく違うんですよ」

火力の立ち上がり方も、湯気の回り方も、厨房ごとに違う。1個68グラム、生地4ミリ、蒸し12分──数字にできたのは、そこまでだった。

結局、他店での製造は中止した。現在は熱海店で作れる数量を、近隣に配送している。生産能力が、そのまま販売エリアの上限になっている。

マニュアルは持ち出せる。だが、熱海店の厨房は持ち出せない。

13種類、そして「蒸しパン総選挙」

蒸しパンは現在、13種類が定番商品として販売されている。さらに時折、季節限定の味も登場する。

2025年11月に開催された「蒸しパン総選挙」では、1位が栗、2位がショコラ、3位がメープル、4位がかぼちゃ、5位がブルーベリーチーズとなった。

堂々の第1位は栗(写真:筆者撮影)

それら全種類がそろうのは、製造元であるマックスバリュ東海 熱海店だけだ。9時30分ごろから店頭に並び始め、そろうのは11時ごろ。もっとも、並べるそばから売れていくため、そろっている時間は長くない。他店には朝9時すぎに搬入されるが、午前中に売り切れることも珍しくない。

朝11時ごろならほぼすべての蒸しパンが店頭に並んでいる……はず(写真:筆者撮影)
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