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「職人のパン」を数値化し「誰が作っても同じ味」を実現…それでも大手スーパーが拡大路線をやめ《熱海周辺5軒》に絞った理由

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蒸しパン
できたてほやほやの蒸しパン。冷ましてからパッケージされる(写真:筆者撮影)
  • 谷口 素子 取材ライター・コラムニスト
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それを68〜74グラム程度にカットしていく。重いものは端を切って調整し、逆に少ないものが出れば、別の生地を少し上にのせて重さを合わせる。この細かな調整も、ほぼ手作業だ。

カットしながら重さを一つひとつ計り調整する(写真:筆者撮影)

さらに、発酵の工程にも独自の工夫がある。パンは冷蔵庫に入れて一定の温度を保ちながら発酵させるのが一般的だが、ほていやの蒸しパンは、それでは湿度が足りず、パサついてしまう。そこで、お湯の蒸気を使って発酵させる。

熱海店の作業場には3台のコンロがあり、両サイドが発酵専用、中央が蒸し器として使われている。ひとつのせいろには10個の蒸しパンを並べる。発酵時間は約20分。2台のガス台には80度のお湯が沸いており、その上にせいろを積み上げていく。1台のコンロにつき、せいろは12段まで積み上げられる。

真ん中の湯気を出しているのが蒸し器(写真:筆者撮影)

発酵が終わると、いよいよ、ほていやの蒸しパンの代名詞ともいえるトッピングだ。卵、砂糖、マーガリン、小麦粉を混ぜ合わせた、通称「クリーム」を絞り袋に入れ、蒸しパンの上部にコーティングしていく。

「クリーム」を搾りだしてトッピングする(写真:筆者撮影)

受け継いだ製法は、ほぼ手作業

次に、蒸しの工程へ。せいろを6段積み上げ、蒸し時間は12分。ただし、火にかけたら、そのまま完成を待てばいいわけではない。ガス台に近いせいろの底には、ボタンを押すと、せいろが1段入る程度の隙間ができる。そこに、2分ごとに新しいせいろを入れなければならないのだ。

同時に、上にあるせいろを蒸し器から外していく。下からせいろが入ると、その上のせいろが順番に押し上げられていく。これを繰り返すと、12分後には最初に入れたせいろが一番上に到達する。こうすることで、蒸しムラを防ぐのだ。これも、ほていやから受け継いだ製法である。

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