ライフサイクルの長さとは、ある企業が創業から消滅に至るまでにかかる期間を指す。578年に創業され、2006年に買収された世界最古の企業「金剛組」は、1500年近くにわたって日本で神社仏閣の建設を手がけていた。
アメリカ株式市場で最古の上場企業は1824年に「ニューヨーク・ガス・ライト」として誕生した「コンソリデーテッド・エジソン」だ。
さらに、GEやエクソンモービルも創業100年をゆうに超える。しかし、こうした長寿企業はあくまで例外だ。アメリカ企業の倒産、買収、または廃業までの期間の中央値は、わずか10年強と推定されているからだ。
何がライフサイクルの長さを決めるのか
企業のライフサイクルの長さを決定する要因は次のとおりだ。
提供する製品やサービスの需要が堅調なため、他社よりも長続きしやすい企業もある。例えば、一般的な小売企業は、ニッチな製品を提供する専門小売企業よりも長続きする傾向がある。
事業の確立に時間がかかる企業は、すばやく生産を拡大して事業を開始できる企業よりも長命である可能性が高い。
そのため、事業開始に数年から数十年を要するインフラ関連企業のほうが、生産施設や建設に長い時間をかけなくても収益をあげられるソフトウェア企業よりも長命なのは自然なことだ。
企業の衰退や消滅は、新規企業の市場参入によってもたらされることが多い。
よって、強力で長持ちする参入障壁を築いた企業は、自由競争のなかにある企業よりもはるかに長く存続できるだろう。
より不安定なマクロ経済環境のなかで事業を営む企業は、安定した環境の中で運営される同様の企業よりも短命に終わるリスクが高い。
そのため、新興市場の企業は、成熟した市場の企業よりも平均的に短命だと考えられるだろう。
企業が存続するためには、経営の継続性が肝心だ。継続的な運営をひとりや一握りの人物に頼りきっている企業は、経営チームや入念な後継計画を持つ企業より短命だといえるだろう。
ということは、一見すると公開企業のほうが非公開企業よりも長命だといえそうだ。全体的に見れば確かにそうかもしれないが、世界の長寿企業のなかには、経営の手綱を次世代へとスムーズに引き継ぐための構造が確立されている同族企業もある。
成功した同族企業のほうが成功した公開企業よりもずっと長く存続することがあるのはなぜか?
そのひとつの理由は、事業を築く意思決定者のインセンティブ構造と、それが事業の寿命に及ぼす影響にある。


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