腸はすべての不調の「源流」
「腸は第二の脳である」
近年、このような言葉を耳にする機会が増えてきました。これは決して比喩ではありません。
数億個もの神経細胞からなる「腸管神経系」という独自のネットワークを持ち、自律神経系の一部として迷走神経という太いケーブルで脳と直結しています。
「緊張するとお腹が痛くなる」のは、この回線が実際に働いている証拠です。
加えて、腸には免疫細胞の約7割が集中し、ホルモンも自ら産生して、全身の代謝や食欲にも影響を与えています。
つまり腸は、ホメオスタシス(恒常性維持機能=体の自己調整力)の3つのシステム――免疫、ホルモン、自律神経――のすべてと深く関わる「隠れた司令塔」です。
この司令塔の力を支えているのが、腸の中に住む数十兆にも及ぶ腸内細菌です。その数は全身の細胞(約37兆個)に匹敵する規模です。いわば「もう一人の自分」と暮らしているようなものです。
近年、医学の世界では、腸内細菌叢(腸内フローラ)全体を肝臓や腎臓と同じような一つの「臓器」として捉える考え方が支持を集めています。
肉眼では見えないけれど、体の調節に不可欠な働きをする巨大な臓器が、あなたのお腹の中にもう一つ存在しているというわけです。


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