この反応の最終生成物をAGEs(終末糖化産物)と呼びます。
一度できたAGEsはフライパンにこびりついた頑固なコゲのように分解されにくく、体の中に蓄積していきます。
双子の敵が引き起こす「ボヤ」と「バグ」
ここで、体内イメージをしてみてください。
あなたの細胞の表面が、雨ざらしのフェンスのように少しずつ赤茶けていく(サビ)。同時に、血管、皮膚、関節、目の水晶体……体のあちこちのタンパク質に、ホットケーキの焦げ目のようなものがじわじわとこびりついていく(コゲ)。
そして、この2つが、どのようにしてボヤ(慢性炎症)やバグ(機能性障害)を生むのかを見ていきましょう。
▶ボヤ(慢性炎症)への道筋
サビに傷つけられた細胞(酸化した細胞)を修復しようと、免疫細胞が駆けつけて炎症を起こします。コゲ(AGEs)もまた、免疫細胞に「異物が来た!」と誤認させ、炎症を引き起こします。
しかも、炎症の現場では免疫細胞自身が大量の活性酸素を発生させるため、「サビ→炎症→さらなるサビ」というスパイラルが回り始めます。消火活動のはずが、かえって火の手を広げてしまうのです。
▶バグ(機能性障害)への道筋
サビ(酸化)は、情報を伝える神経やホルモンの受容体にもダメージを与えます。サビついた受容体は感度が鈍り、脳からの指令が正しく届かなくなります。
コゲ(AGEs)もまた、受容体や細胞同士の通信網にべったりとこびりつき、精密な信号伝達を妨げます。
臓器そのものは壊れていないのに、制御システムに狂いが生じる。機能性障害のメカニズムにほかなりません。
そして最も厄介なのは、サビとコゲが互いを加速させることです。
酸化ストレスは糖化反応を促進し、AGEsは活性酸素の発生を増やす。
この「サビ⇄コゲ」の悪循環に炎症が加わると、慢性炎症は長引き、老化やさまざまな病気が加速します。
とはいえ、私たちの体には、これらの敵に対抗する仕組みがちゃんと備わっています。
サビを防ぐのは「抗酸化システム」、コゲを防ぐ最大の武器は「血糖値を急上昇させないこと」です。
「私たちの体は日々サビて、コゲている。そしてこの双子の敵がボヤとバグの両方を加速させている」
このことを意識して、毎日の食事や生活習慣をほんの少し見直すことが、体内の悪循環を断ち切る確実な一歩になります。



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