代表的なのが糖尿病(2型)です。慢性炎症は血糖値を下げるホルモン「インスリン」の効き目を悪くし、インスリンを分泌する膵臓の細胞にもダメージを与えます。そして高血圧、脂質異常症、脂肪肝……。一見バラバラに見えるこれらの生活習慣病も、根底には同じ黒幕が潜んでいます。
また肥満は、慢性炎症の結果であると同時に、脂肪細胞そのものが炎症物質を大量に分泌するため、慢性炎症をさらに燃え広がらせるという悪循環を生みます。
これらの病気は、自覚症状が出る頃には、すでにかなり進行していることが多いものです。
水面下では何年も、あるいは何十年も前から体内で慢性炎症が静かに積み重なっていた。
そう考えると、慢性炎症という「見えない炎」の怖さが実感できるのではないでしょうか。
慢性炎症の火種となる4つの要因
体内で静かにくすぶる慢性炎症の火種は、特別なところにあるわけではありません。
多くの場合、私たちの毎日の生活の中に潜んでいます。
特に重要なのが、「食事」「運動」「睡眠」「ストレス」の4つです。
ここでは、典型的な現代人の「普通の一日」を追いかけながら、私たちの何気ない行動が体の中でどのようにしてボヤを生むのかを見ていきましょう。
あなた自身の日常と重なる部分が、きっとあるはずです。
▶朝。スマートフォンのアラームで目を覚ますと、体がだるい。
昨夜も結局、布団に入ってからSNSをだらだら見てしまい、眠りについたのは深夜1時過ぎ。睡眠時間は5時間ほど。
私たちの体は、眠っている間に傷ついた細胞を修復し、老廃物を掃除する「夜間の修理工事」を行っています。
ところが睡眠が足りないと、この修理工事の時間が削られてしまいます。
修理されるはずだった細胞。
片付けられるはずだったゴミ。
落ち着くはずだった自律神経。
それらが中途半端なまま朝を迎えると、免疫細胞は「異常事態」と判断し、体の中で小さな炎症を起こし続けます。さらに、本来なら夜の間に戦闘モードから回復モードへ切り替わるはずの自律神経も、興奮したままになりやすくなります。
体内イメージでいえば、睡眠不足は、修理途中の建物をそのまま使い始めるようなものです。壁のひびは直りきらず、床のゴミも残ったまま。
その状態でまた一日を始めるため、体の中のボヤは鎮まりにくくなります。


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