スマホゲーム「パズル&ドラゴンズ」(パズドラ)を手がけるガンホー・オンライン・エンターテイメントが、転換期を迎えている。
8月28日、同社はソニー・ミュージックエンタテインメント(SME)との資本業務提携を発表した。ガンホーの前身企業の設立に関わり、長年にわたり筆頭株主の座を維持してきた孫泰蔵氏が、資産管理会社を通じて保有している株式を今年12月30日にSMEへ譲渡する。SMEの保有比率は約23%となり、同社の新たな筆頭株主に躍り出る形だ。
両社には以前から、SME傘下のアニプレックスの人気アニメ「鬼滅の刃」などのキャラクターをパズドラに登場させるコラボ企画で接点があった。資本業務提携の内容としては、ゲームの共同開発・運営、ガンホーのゲームにおけるコラボレーション企画の推進、SMEのIPを活用した新たなゲーム企画の検討を掲げる。
対アクティビストの“助け舟”?
パズドラ以降に大きなヒット作を生み出せず、営業利益がピーク時の数パーセントにまで縮小する一方で、潤沢なキャッシュを抱えてきたガンホー。ここ1年ほど、こうした状況を「怠慢経営」と断じた大株主のアクティビスト・ストラテジックキャピタル(SC)から、複数回にわたって株主提案を突きつけられてきた。
25年9月の臨時株主総会では、ゲーム開発の全権を握る森下一喜社長(当時)の解任議案まで提出され、26年2月に森下氏が社長を退任して代表権のない会長へ退くという波瀾万丈の展開をたどっていた。SCから安定株主である孫氏の保有株を自己株式として取得することや、外部パートナーとの連携による非公開化を迫られていたタイミングで、助け舟のように浮上したのが今回のSMEによる株式取得だった。
ガンホーがSMEとの関係強化に踏み切った背景には、市場の成熟化という厳しい経営環境がある。
国内のスマホゲーム市場はすでに頭打ちを迎え、新作をヒットさせる難易度が高まっている。その中で「パズドラ」は、ガンホーの連結売上高の約3割を占める255億円(前期実績)を稼ぎ出している。
そのパズドラも、2012年のリリースから14年が経ち、ユーザーをつなぎとめ続けるのは容易ではない。新規ユーザーの獲得や休眠ユーザーの再活性化のために、アニメやゲームなど、他社作品のキャラクターを登場させるコラボイベントの成否に業績が大きく左右される状況だ。
現に前期には、コラボイベントの調整や準備に手間取り、イベントの空白期間が生じたことが主因となり、同社の業績は売上高932億円(前期比10%減)、営業利益50億円(前期比71%減)と急悪化した。
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