しかも、ゴタゴタは自民党だけにとどまらなかった。
県議会第2会派だった民主県政県議団が9月1日に分裂。同会派を構成していたのは、立憲民主党13人、国民民主党2人、社民党1人、無所属4人の計20人だが、そのうち10人が離脱し、さらにその10人も2つの会派に分かれるなど、自民党批判で結束するはずの野党系にも足並みの乱れが目立ち、県議会全体が四分五裂の状態に陥っている。
そもそも、「福岡県議会の民主系会派は、野党にもかかわらず、自民系会派とかなり親密な関係」(関係者)だったとされる。このため、蔵内氏に対する議長辞職勧告決議案をめぐって、自民系会派が出した採決中止の緊急動議に民主系会派で賛成した議員もおり、「自民系会派だけでなく、民主系会派にも批判が集まっていた」(同)という。
勢いづく非主流派が中央政界にもたらす波紋
このように混乱を極める県議会の状況を踏まえて、国政与党である日本維新の会や、保守勢力の参政党、さらには国民民主党や共産党などが、福岡県議会での議席拡大に向けて、それぞれ多数の候補擁立に動き出した。
維新の吉村洋文代表(大阪府知事)は8月下旬に福岡に入り、「福岡県議選に20人を擁立する」と表明。同代表は「少なくとも10人は当選させたい」と漏らすなど、「福岡県議会を足場に、福岡政界にも一気に維新を浸透させたい考え」(維新幹部)だとされる。
参政党の神谷宗幣代表も8月に福岡入りした際、「県議選への30人擁立」を明言。同代表も「元自民党支持層や無党派層を取り込んで10人は当選させる」(周辺)と意気込んでいるとされる。さらに、現在は議席ゼロの共産党も10人を擁立する構えだ。
こうした各党の攻勢に対し、「党本部にも見放された自民党県議団の混乱は、収拾のメドさえ立っていない」(自民党の選対幹部)のが実情。大混乱に陥る前の福岡県議会(定数87)の勢力図は、自民党40、民主県政20、公明党10、新政会6などで、「事実上の自民党支配が続いてきた」(議会事務局)。
しかし、「地方議会でも極めて異様」(総務省幹部)な金銭授受疑惑が、中央政界だけでなく国民的にも注目されていることもあり、自民党の議席数は現在の38から「次の統一地方選では議席半減も覚悟せざるをえない」(自民党福岡県連幹部)との厳しい見方が広がる。
そもそも来春の統一地方選は、高市首相にとっても「結果次第で政権危機を招きかねない重要な政治イベント」(自民党幹部)との位置づけだ。統一地方選と時期が重なる来年4月からの消費税減税への有権者の評価も絡むだけに、統一選全体で自民党の苦戦が目立つ結果となれば、これまでの「選挙に強い高市首相」というイメージも一気に崩れかねない。
それゆえ、一連の「福岡問題」への対応については、政界関係者の間で「高市首相にとって、来秋の自民党総裁選での再選の可否も左右しかねない新たな頭痛の種となる」との見方が広がっている。


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