3冊目は、学研編集部編の『中学生のための東大生の勉強法カタログ』です。
勉強が苦手な中学生に「自分に合う方法で勉強しなさい」と言っても、そもそも選択肢を知らなければ選べません。
野球を一度も見たことがない子に、「自分に合うポジションを選んで」と言っても難しいでしょう。それと同じで、勉強法もいろいろな実例を見なければ、自分なりの方法を想像できないのです。
本書では、8人の現役東大生が実践してきた100種類の勉強法が、暗記、演習、授業、定期テスト、高校受験というテーマ別に紹介されています。「マンガや歌で語彙力を高める」「ノートの表紙に覚えたいことを書く」「授業中はとりあえず手を挙げる」など、少し変わった方法も載っています。
この本のポイントは、100種類すべてを実行する必要がないことです。むしろ、「これなら自分にもできそう」と思えるものを2つか3つ試せばいい。
勉強ができる人には、全員共通の特別な方法があるわけではありません。声に出す人もいれば、書いて覚える人もいます。朝に勉強する人もいれば、夜のほうが集中できる人もいます。
いろいろ試し、失敗しながら自分の型をつくる。その試行錯誤こそが、自学自習の第一歩なのです。
「自分にもできるかも」と思える
4冊目は、三田紀房先生の漫画『ドラゴン桜2』です。
勉強法の本を渡しても、子どもが読んでくれないことはあります。そんなときには、漫画から入ってもいいと思います。
人間は、正しいことを教えられただけでは、なかなか動けません。「自分もこうなりたい」「この人のように頑張ってみたい」という感情が動いて、初めて行動が変わることがあります。
『ドラゴン桜2』では、勉強が得意ではなく、努力を続けることも苦手な高校生たちが、東大合格を目指します。主人公たちは、最初から優秀な受験生ではありません。失敗し、迷い、ときには勉強から逃げながら、少しずつ変わっていきます。
だからこそ、読者も「自分にもできるかもしれない」と思えるのです。
また、この作品はスマホやSNSが当たり前になった時代の受験を描いています。スマホを単なる敵として取り上げるのではなく、勉強に活用する方法や、情報との付き合い方も登場します。旧来の根性論ではなく、現代の環境に合わせて勉強法をアップデートしていく物語となっています。
勉強のモチベーションがまったくない子に、いきなり分厚い参考書を渡しても難しいでしょう。まずは漫画を通して、努力する人の物語を追体験してもらう。それも立派な教育だと思います。




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