英語が苦手な人は、多義語を見ると、「意味がたくさんある、面倒な単語だ」と考えます。
一方、英語の勉強がうまい人は、「この意味とこの意味は、どうつながっているのだろう」と考えます。この違いは、とても大きいです。
これは英語に限定された話ではなく、日本語だって同じです。
たとえば、日本語の「頭」にも、いろいろな使い方があります。
「頭が痛い」と言えば身体の一部です。
「頭がいい」と言えば知性を指します。
「列の頭」と言えば先頭ですし、「頭を下げる」と言えば謝罪や敬意を表しますよね。
外国人が日本語を学ぶとき、「頭=head」「頭=intelligence」「頭=front」「頭を下げる=apologize」と一つずつ暗記していたら、大変です。
しかし、日本語を使う僕たちは、それらをバラバラの意味として覚えているわけではありません。「頭」という言葉に対して、まず「一番前」というイメージを持っている。「身体の一番前だから身体の部位としての頭」「列の一番前だから列の頭」、というイメージになる。こうやって、文脈に応じて自然に意味を変えています。
単語学習は「使われている理由」を知ろう
英語も同じです。一つの英単語に十個の日本語訳があるからといって、英語を話す人が十個の意味を別々に暗記しているわけではありません。多くの場合、中心にあるイメージが、文脈に応じて少しずつ広がっています。
ところが、日本の英単語学習では、その広がりを一つひとつ切り分け、日本語訳の一覧として覚えさせることが少なくありません。これでは、言葉が本来持っているつながりが見えなくなります。
英語学習の面白さは、「この単語は、この日本語です」と正解を暗記することだけにあるのではありません。
「この文では、どんな意味になるのだろう」「どう訳せば、いちばん自然だろう」「なぜこの単語が、こんな意味で使われているのだろう」と考えながら、意味が揺れ動く時間にこそ、英語を学ぶ面白さがあります。


※ログイン後、コメント入力が可能です。