筆者はライター兼カメラマンとして、取材でタレントのポートレートを撮影しているが、タレント側からレタッチを求められることが多い。撮影した写真をそのまま掲載する、いわゆる「撮って出し」は少なく、明るさや色味、肌の状態などを整えてから世に出している。
ただ、XやInstagram、TikTokなどに上がる画像のように原型をとどめないほどに陶器のような肌になったり、顔を小さくしたりはしない。グラビアでは「なるべくナチュラルな姿」を求められ、レタッチも極力しない方向で進められる。より生に近いグラビアで生成AI使用の疑惑が持たれたことも反響が大きくなった理由の一つといえる。
今回の写真でどのようなレタッチが行われたのかは、公開された画像だけでは判断できず、見た目の不自然さだけで、生成AIを使ったかどうかはわからない。
それでも指の本数から真っ先に生成AIの使用が疑われた理由はわかりやすい。画像生成AIが広く使われ始めた頃、指が6本あったり、関節が不自然に曲がったりする画像が数多く出回った。顔や背景は本物らしいのに、手を見るとおかしい。指を見れば生成AIかどうかわかるという認識が広まった。今もその印象は強く、指が6本あるように見えると「AIだ」と判断してしまう人も多い。
レシピ画像が物議を醸した「味の素パーク」
写真修正にはこれまで細かな作業が必要とされてきたが、生成AIの登場で大幅に作業時間の短縮が可能となった。このためPhotoshopに代表される写真修正ソフトは生成AIを機能として取り込み、今や言葉で加工内容を指示できる。ただしまだまだ完璧とはいいがたく、意図しない部分まで勝手に加工されることがある。
8月14日には、味の素が運営する「味の素パーク」の公式Xに投稿されたレシピ画像が物議を醸した。「ほんだし」を使っためんつゆのレシピを紹介するものだったが、画像内の商品ラベルのテキストが崩れ、「HONDASHI」が「MONDASHI」のような表記になっていた。SNSでは「自社製品なら写真を撮れば済むはずなのに」という手抜きを指摘する声、さらに「自社製品のラベルが崩れていることになんとも思わないのか」という声など批判が殺到し炎上した。
味の素パークのアカウントは16日、「実写写真をAIにて明るさ・背景の変更などを行った結果、文字やラベルが崩れてしまった状態で公開してしまいました」と説明した上で謝罪した。生成AIはまだまだ文字の生成でミスが多く、またAIで生成する部分を指定しなければ、知らずに全部を改変してしまうこともあるため、今回の味の素のようなミスが生まれた。これが現在、AIを使うリスクといえる。


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