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「アイドルの指が6本ある」「AI修正か」と騒然⋯日向坂46メンバー「不自然すぎるグラビア写真」に生じた疑念の"真相"

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週刊少年マガジン
週刊少年マガジン編集部はグラビア写真の加工について説明。明るさを調整し直した写真を公式Xで改めて公開した(写真:Sakura Ikkyo/PIXTA)
  • 徳重 龍徳 コラムニスト、エンタメ評論家
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こうした反応には、いくつかの異なる批判が重なっている。画像の出来が悪いという指摘。制作や確認の手間を省いたのではないかという企業姿勢への不信感。そして、学習に使われる作品やクリエイターへの配慮をめぐる、AI利用そのものへの反発だ。

まずはAIを使うことは楽をしているということから生まれる低評価だ。心理学には、制作にかかった労力を、作品の質や価値を判断する手がかりにする「努力ヒューリスティック」という現象がある。たとえまったく同じ成果物であっても片方が機械を使ったもの、もう片方が完全手作業であれば、人は後者をより評価してしまう。

逆に生成AIによる画像は、プロンプトを入力するだけで簡単にできると思われがちだ。実際には試行錯誤や修正を重ねていても、その手間は外から見えにくい。企業が使えば「制作費を惜しんだ」「人に頼む手間を省いた」と受け取られることもある。さらに商品名の間違いまであれば、効率化のために確認までおろそかにしたのかと、不信が強まる。

生成AIは好きな作品を生み出す人を困らせる技術として映る

さらにX上の漫画やイラストのファンコミュニティでは、応援するクリエイターへの思いが、AIへの不信感、もっといえば嫌悪感につながっている。

生成AIが広まり始めた頃から、特にX上では自分の作品が望まない形で学習に使われることなどに懸念を示すクリエイターの声が上がってきた。ファンにとっては、好きな作品を生み出す人を困らせる技術として映ることがある。便利さや画像の完成度だけでは、その抵抗感は解消しにくい。

日本ではコミケや同人文化の影響により、二次創作を楽しむ人々の間には「原作者や権利者の理解があるから活動できる。作者が嫌がることは控えるべき」という意識もある。その価値観からすれば、クリエイターの著作権が守られていると断言できない生成AIを、特に企業が利用することに反発の声が上がるのは自然だ。

その構図が見えたのが、2023年に集英社が発売した生成AIによる架空のグラビアアイドル「さつきあい」のデジタル写真集だ。写真集が発売されると、「週刊少年ジャンプ」をはじめ、多くの漫画家と作品を世に送り出してきた出版社だからこそ著作権や肖像権をめぐる懸念などが数多く寄せられ、最終的に同社は生成AIに関する論点や問題点の検討が十分ではなかったとして、販売を終了している。

生成AIの技術的な精度は日々向上しており、指6本の画像やテキストの崩れは、いずれなくなっていくだろう。しかし、AIを使ったか否かを明示し、学習データの扱いに責任を持つ姿勢が伴わなければ、どれほど自然な仕上がりになっても、生成AIに対する人々の不信は残る。たとえ6本目の指を消せても、人の不信まで消せるわけではないのだ。

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