なお、給付制度の活用も判断材料になる。イングリードは経済産業省のリスキリングを通じたキャリアアップ支援事業の対象コースを設けている。PROGRITやRIZAP ENGLISHも厚生労働省の一般教育訓練給付制度の対象講座を持ち、条件を満たせば受講料の一部が還付される。制度を使えば実質負担は大きく変わるため、比較の際は給付適用後の金額で見るべきだろう。
「楽して身に付く」わけではない現実
ただし、誤解してはいけない点がある。高額を払えば受け身で英語が身に付くわけではない。諸澤氏自身が明言する。
「最初は語彙も文法も、地道に覚えないといけない。愚直に当たり前のことをやるのは避けられません。ただ、その中で最も効果的なやり方と続け方を一緒に設計するのが、私たちの仕事です」
実際、受講者の学習量は軽くない。HIROさんは平日1.5〜2時間、土日は3〜4時間を英語に充てた。「一番きつかったのはシャドーイング。仕事から帰って深夜、眠い目をこすりながら録音・提出する日もありました」と振り返る。増田さんは朝5時半から6時を「声を出す時間」と決め、往復2時間の通勤で単語とリスニングをこなした。8歳と3歳の子どもを育てながらの3カ月だ。
この負荷は各社に共通する。PROGRITとRIZAP ENGLISHはいずれも1日3時間程度の自主学習を前提とし、TORAIZは1年1000時間を課す。コーチングとは、学習量を肩代わりする仕組みではなく、学習を続けさせる仕組みだと言い換えてもいい。
不満がないわけでもない。HIROさんは「スピーキングにもっと比重を置きたかった」と語り、3カ月で聞く・読む・話すを一気に伸ばすのは現実的に難しかったと率直に述べている。Pokoさんは転職活動と重なった時期に休会を考えたが、休会の仕組みが使いにくかったと指摘する。増田さんも、本来は6カ月プランが理想だったが家計の事情で3カ月にせざるをえなかったと明かす。


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