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精神科医がみた"もらいうつ"の実態 「こんなに苦しいのはあなたのせい」…産後うつの妻に責め続けられた夫に起きた変化

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産後うつのイメージ
産後うつの実例を通して「うつ病」が周囲の家族に「うつる」現象について考えます(写真:hirost/PIXTA)
  • 髙橋 一志 東京女子医科大学准教授、医学博士

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うつ病の家族や同僚、パートナーに寄り添い続けるうち、支える側まで心身の不調に陥ってしまう――。感染症のように病気がうつるわけではありませんが、うつ病の人に寄り添い支える立場の人が、その責任感の強さから、自分まで「うつっぽく」なってしまう。心の距離が近づきすぎた結果、静かに消耗していく人が増えています。
精神科医として、うつ病患者や支える人たちの相談に数多く携わってきた『もらいうつ』の著者、髙橋一志氏はこの現象を「もらいうつ」と名づけ、休養も配慮も得られにくい支える側の苦悩に光を当て、共感疲労のメカニズムや、倒れないための関わり方を豊富な事例とともにひも解いています。
ここでは『もらいうつ』から一部を抜粋・編集して、「誰かを支えよう」として疲れ果ててしまった人のケースを紹介します。

「うつ」は「うつる」のか

よく「うつ病の原因はストレス」などといいます。しかし、ストレスを感じているだけではうつ病にはなりません。ストレスがうつ病の真犯人で単独犯だとすれば、ストレスを感じている人は、みなうつ病にならなければなりません。

たしかにストレスがうつ病の引き金になる場合はありますが、うつ病はストレスだけではなく、脳の不調(神経伝達物質の乱れ)や性格、身体的特徴など、複数の要因が複雑に絡み合って発症する心の病気です。

もちろん、うつ病はインフルエンザのようなウイルスによる感染症ではないので、医学的な意味で、うつ病が人から人へ感染することはありません。これは、はっきりしています。

しかし現実には、家族の中の誰か1人がうつ病になってしまうと、もともと健康だった周囲の家族も、引きずられるようにうつ病になってしまうことも非常によく起こります。

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