ここまで、産後うつに苦しむ妻と一緒に暮らしていると、その夫も産後うつになってしまう例を紹介しました。このようなケースは、本当に私たちの身近で起きていることで、まさに「うつが伝染してしまった」といってよい現象です。
こうした事例を見るにつけ、やはり「うつはうつる」といってよいように思います。
「うつがうつる」のであれば、「かぜをもらう」という表現があるように「うつをもらう」といってもよいでしょう。つまり「もらいうつ」というのは、決して都市伝説などではないのです。
一緒に暮らす家族も不調に
家族など、身近にうつ病の人がいる場合、うつ病の患者さん本人のサポートだけではなく、その周りにいる人の心の健康を保つことも、きわめて大切だと私は思います。
私は、企業向けにストレスチェックサービスを提供する会社の顧問を務めています。その会社では、提供するサービスの一環として、うつ病の患者さんと生活をしている人、仕事をしている人を対象に、心の健康をサポートする講座を3カ月に1回のペースで開いています。
私はこれまで、そのサポート教室で20回以上、講師としてお話をさせていただいています。
その講座の参加者は全員、本人は健康ですが、家族の誰かがうつ病です。直接、参加者にお話をうかがうと、口をそろえて、「家にうつ病の家族がいると、私たちもしんどくなります」と言います。
うつ病の人とかかわっていることで、体調が悪くなってしまう家族が多いことを実感します。家族にうつ病の人がいると、一緒に暮らしている家族も不調になる……。このことからも、「うつはうつる」ことがわかります。



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