つまり、「だるい」は、やる気のなさではなく、傷つかないための予防線である場合も多いのです。
そんな子どもに対して、「将来困るよ」と不安を上乗せしても、前向きにはなれません。必要なのは、勉強を「やらされる苦行」から、別のものに見せ直すことです。
「できたらかっこいい」という価値観のスイッチ
そこで、私が秀逸だと感じたのが、この一言です。
「それ、できるようになったら、かっこいいよね」
この言葉の優れているところは、勉強を「義務」ではなく、自分がなりたい姿につながる選択肢として示している点です。
古文や漢文がすらすら読める。数学の難問に粘り強く向き合える。英語で自分の意見を伝えられる。わからないことを、そのままにせず調べられる。
こうした姿は、単に「テストで点数が取れる」というだけではありません。知的であったり、粘り強かったり、自分の世界を広げられたりする、素直に「かっこいい」姿です。
運動や芸術の世界には、生まれ持った才能の影響が大きいものもあります。もちろん勉強にも得意不得意はありますが、「昨日より英単語を3個多く覚える」「前は解けなかった問題を1問解けるようにする」ことなら、多くの子どもが努力によって近づけます。
勉強とは、子どもにとって比較的手の届きやすい「かっこよさ」でもあるのです。ただし、「かっこいい」という言葉は、成績がよかったときだけに使うものではありません。
むしろ、「5分だけでも始められたの、かっこいいね」「わからないところまで戻って確認したの、いいね」「間違えた問題を、もう一度やっているのはかっこいいよ」と、結果ではなく行動に対して使うことが大切です。
テストで80点を取ったことだけを褒めれば、80点を取れなかった日は、自分には価値がないと感じてしまいます。


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