先行商品が定番化した後なら、後発企業は「月見とは何か」を最初から説明しなくてもよい。実際、2019年のピザハットの発表では、自社の人気No.1商品と日本人ならではの風情を掛け合わせた、と説明されていた。これは、卵を使って「月見」と名乗る食べ物に、すでに風情があることを意味している。
卵を載せるだけ。“こじつけたもん勝ち”のユルさ
月見商品の強みは、仕組みが単純なことだ。黄色い卵黄を月に見立てれば、既存のバーガー、ピザ、パン、麺などを大きく変えなくても、「月見商品」として見せられる。この「参入障壁の低さ」と「差別化の余地」が、月見商品が乱立する理由なのだ。
さらに、月の形や秋らしい見た目を使えば、卵を中心にした料理以外にも「月見」という名前を広げられる。言ってしまえば、“こじつけたもん勝ち”の世界なのだが、それでも許されるユルさがある。
買う側も同様に、肩ひじ張らずに楽しめる。特に考え込まず「秋だからねー」と商品を選び、食べるだけで、季節の行事に参加できる。商品を売る企業にも、SNSを使う人にも扱いやすい気軽さがあるのだ。


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