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〈あえて互換性を崩した〉電子部品実装機がAIサーバー需要にハマった…脱スマホ銘柄のFUJIが全方位で備える"大波の次"

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業績絶好調、FUJIの五十棲丈二社長(撮影:永谷正樹)

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愛知県知立市を本拠とし、電子部品実装機(マウンター)で世界首位級のシェアを有するFUJIが、かつてない活況を謳歌している。マウンターとは、スマートフォンやサーバーなどの電子基板に、半導体やコンデンサーといった微小な電子部品を高速・高精度で載せていく装置だ。電子機器の製造を受託するEMSを中心に、身近な端末の量産現場で欠かせない存在となっている。
6月末時点の受注残高は903億円と前年同期の2.2倍に膨らんだ。2026年度は売上高2440億円、営業利益600億円とともに過去最高を見込む。営業利益は24年度比で約4倍となる計画だ。
牽引役は、生成AIの普及で需要が急増するAIサーバー向けの実装機。21年には新型機「NXTR(ネクストアール)」を投入し、22年には岡崎工場の増強にも着手した。市況が低迷していた時期に進めた仕込みが、ここに来て実を結んでいる。
「世界中のスマートフォンのうち約2台に1台の基板がFUJIのマウンター製」ともいわれ、スマホ向け実装機に強い企業として長年定評があった。急浮上したAIサーバー需要を足がかりに、「スマホ銘柄」から脱皮できるのか。五十棲丈二社長に聞いた。

――第1四半期の受注高は857億円と、前年同期の2倍を超えました。ここまで受注が膨らんでいる要因は。

最大の要因は、何といってもAIサーバー向けがものすごく強いことだ。アメリカのハイパースケーラーの投資意欲は非常に強く、主要顧客である台湾や米系の大手EMS(電子機器の受託製造サービス)からも、ネガティブな声はまず聞こえてこない。

顧客の裾野も広がっている。サーバー向けの受注は前年の第3四半期ごろから本格化したが、当初はインドでの投資が先行していた。それが今ではベトナム、マレーシア、台湾、北米、中国へと広がって、設備投資に動くお客様がどんどん増えている。

――AIサーバー向けの需要拡大は2年目に入り、市場では「今がピークでは」との懸念もあります。

26年、27年あたりまでは間違いなく堅いだろう。それ以降も、サーバーの演算能力の進化はまだまだ止まらないとみている。より高性能な機種へ更新する世代交代が続く限り、マウンターなど生産設備の増設・更新需要も中長期で続いていく。

互換性より性能アップを優先した新型機

――好調を支えているのが、8年ぶりに投入した新型機「NXTR」です。扱える基板を大型化したことが、結果的にAIサーバー需要の取り込みにつながりました。足元では100%新型機の販売に移行し、販売単価も向上しています。

「AIサーバーの需要を最初から見越していたのか」と聞かれれば、正直言うとそこまでは見越していなかった。開発当時は「AIサーバー」と呼ばれるもの自体が世の中になかったから。

従来機の「NXT III」は累計13万台以上が出荷され、10年近く屋台骨を支えてくれた。「NXT」シリーズは周辺部品に互換性を持たせてきたが、さらに性能向上を図るうえでは、どうしてもそれが制約になった。

そこでNXTRでは、あえて互換性を崩してでも性能をはね上げるという大きな決断をした。

記事の続きでは、FUJIがAIサーバー需要を取り込めた理由、次の波に向けた戦略について五十棲社長に聞いています。

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