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《陰謀論にハマる人》に世界はどう映っているのか? VRで再現した地下鉄で2割の人だけに見えた"気味の悪い光景"

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陰謀論にハマりがちな人が「灰色の眼鏡」を通して見ている世界とは(写真:kotoru/PIXTA)
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陰謀が渦巻く社会で生き延びるには、常に噂を気にし、自分の評判を確認しながら、相手の序列を下げ、自分の序列を少しでも上げるよう、自ら陰謀をめぐらさなければなりません。

そのような社会では、正直者は真っ先に陰謀の餌食になって、子孫を残すことなく死んでいったでしょう。

進化生物学者のリチャード・ドーキンスは『利己的な遺伝子』で、すべての生き物は遺伝子を後世に残すための乗り物(ヴィークル)にすぎないと論じました。陰謀に最適化した脳を持つことは、より多くの遺伝子を残すためのきわめて合理的な戦略だったのです。

近年の脳科学が発見した「不都合な事実」は、不道徳な人間を罰するとドーパミン(神経伝達物質)という報酬が与えられることです。「正義」には、ギャンブルやドラッグと同じ中毒性があるのです。

2割の人は「バラ色の眼鏡」を通して見ている

不倫した芸能人へのバッシングを見ればわかるように、マスメディアとは自らが道徳的権威となって、読者や視聴者に「正義」というドーパミンの快楽を与える娯楽産業です。それが今では、匿名で好きなだけ不道徳な相手を叩くことのできるSNSによって「正義の暴走」を抑えることができなくなりました。

この問題の解決が難しいのは、自分を「道徳的な善」、相手を「悪」とする善悪二元論が人間の本性で、悪と戦って正義を回復することで強烈な快感が得られる仕組みが脳に組み込まれているからです。

旧石器時代の陰謀世界では、常に誰かが自分に対して陰謀を仕掛けているという前提に立たなければ生き残れませんでした。警戒していても失うのは多少の労力ですが、陰謀の罠に気づかなかった場合は命を失います。

ただし、この警戒心の強さには個体差があり、その傾向は今も私たちの中に残っています。

パラノイア(妄想性障害)を専門に研究しているオックスフォード大学心理学部教授のダニエル・フリーマンは、VR(バーチャルリアリティ)で満員のロンドンの地下鉄を再現し、それを大勢の被験者に見せるという独創的な実験を行いました(『パラノイア 極度の不信と不安への旅』 高橋祥友訳/金剛出版)。

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